トヨタ2021年の営業利益8割減の見通し発表【トヨタ最大の危機到来か!?】

トヨタ自動車が、2020年3月期の決算を発表しました。コロナショツクの影響を受けて、今後の売上や利益が減少する見通しを発表することになりましたが、多くの投資家がトヨタに対する危機感を表しています。今回は、投資家目線でトヨタの今後を深掘りします。

トヨタ、2020年3月期決算を発表

20203月期の売上高は前年同期比2956億円減の299299億円、営業利益は前年同期比246億円減の24428億円、税引前利益は前年同期比2691億円増の25546億円、当期純利益は前年同期比1933億円増の2761億円となった。また、連結販売台数は19000台減の8958000台としている。

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1251884.html

記事のポイント
  • 20203月期の売上高は299299億円
  • 2020年3月期の当期純利益は2761億円
  • 新型コロナによる工場の稼働停止や販売店の営業停止が大きく影響

この記事では、20203月期にトヨタが発表した決算では、売上が30兆円で営業利益2.5兆円という結果でした。

そして、今後、20213月の見通しでトヨタは、売上24兆円(マイナス6兆円)営業利益0.5兆円(マイナス2兆円)になり営業利益が8割減になる見通しを発表しました。



コロナショックの影響だけではないトヨタの懸念材料

2019年の3月から2020年の3月までの一年間で、トヨタの乗用車販売台数は、895万台を販売しました。

しかし、これからの2021年の3月までの見通しでは、700万台(マイナス195万台)まで落ちる見通しを立てています。

  • 2020年の4月~6月で6割減
  • 2020年の7月~9月で8割減
  • 2020年の10月~12月で9割減
  • 2021年の1月~3月で10割(従来の水準まで戻る)

こういう見通しを立てているわけですが、これだけを見るとコロナショックによる影響で一時的(今年いっぱいは販売台数が減少)するという形の不調にも受け取ることができます。

しかし、世界の多くの投資家はトヨタに対して厳しい見方をしており、トヨタは短期的な落ち込みとかではなく、企業そのものが「衰退期」に入っていると判断されています。

これは、トヨタの自動車の販売台数のグラフですが、バブル絶頂期の1991年には1893万台を販売していましたが、そこから徐々に販売台数が下降していき、2020年の発表では、895万台の販売になっています。

ピーク時と比較して47%の販売台数になり、乗用車の販売台数が53%も減っているということになります。

さらに、このままトヨタが発表している2021年の見立て通りの推移を辿ると、700万台の販売台数に落ち込むことが予想されます。

700万台という販売台数だと、ピーク時の6割以上減少したことになります。

自動車販売のピークであった1991年の時からみて、30年が経過し700万台まで落ち込んだとしたら、これはコロナだけの短期的な影響で販売台数が落ち込んだわけではなく、産業そのものが衰退期に入っていると危惧されています。

トヨタの時価総額にも出ている投資家の厳しい見方

 

トヨタは、時価総額22兆円と言われており、日本一の企業ではありますが、世界基準で見たときに世界の時価総額ランキングでは、どんどん落ちていっている現状もあります。

本来、時価総額というのは、企業の純資産に対して期待値をかけて割り出されるのですが、期待値が引くく、投資家からの期待値が0.9倍で期待されていないということが判断できます。

そのため、時価総額が利益剰余金を下回る状況になっています。

ここから、考えられるのは、すでにトヨタが世界中の投資家からは、厳しい目線で見られていて、預金はたくさんあるけど、今後は、かなり苦しいのではないかという判断をされていると言えます。

いわば、トヨタはこれから23兆円の利益剰余金を食いつぶしながら経営をして、成長の見込みが薄いのではないかという懸念から、時価総額22兆円という期待値割れが起こっているのではないかと考えられます。

当然、この実態はトヨタの社長も認識はしており、これからのトヨタ企業のビジネスモデルのチェンジも視野に入れた改革を行おうとしています。

まとめ

今回のニュースからみる重要な視点は、今の報道されるコロナ関連も含むニュースなどは断片的な情報だけを見ていると、それが、短期的な経営難に陥っているのか、それとも、その事業そのものの成長が見込めないために落ちているのかがわからないものです。

やはり、事業の本質的な部分を見るには「長期的な視点」での捉え方で、データを参考にして見ると、多くの投資家の視点が分かるのではないでしょうか。

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Koga Kenマーケティングプランナー
商品開発・動画制作・企画営業などマーケティング全般の仕事に携わってきました。現在は、企業のHP制作・動画制作・商品開発などのマーケティング業務を請け負いながら、海外輸入のECサイトの運営や「ひとりで稼ぐ力」をテーマに投資、副業などの資産形成に関する活動を展開。