ソフトバンクGが営業損益で1兆3500億円の巨額赤字を発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響や、投資先の企業の価値が下がった原因など、ソフトバンクが危ないのかなどについて解説したいと思います。
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ソフトバンク巨額損失3つの理由
ソフトバンクグループはことし3月期の業績で、営業損益が1兆3500億円の巨額の赤字になるという見通しを発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大を背景にした市場の動揺で、投資先の企業の価値が下がったためです。
2020年4月13日 NHKニュースWEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200413/k10012385071000.html?utm_int=all_side_business-news_001
理由1「投資を急ぎ過ぎた」
近年は未公開企業の評価が上昇していた中、ビジョン・ファンドは資金を10兆円集めて、当初は5年をかけて投資を考えていたが、2年でほぼ全額投資をして投資するなど急ぎすぎた。資金が底を付くと、資金のなさが足かせになって、今後、優良な企業を割安で買うチャンスを逃してしまいます。
理由2「AI企業」への投資を広げすぎた
AIの実用化が遅れており、技術で付加価値を高める前に経済環境が悪化して、その影響を受けることになった。その代表格がウィーカンパニーや、格安ホテル大手OYO(オヨ)になります。これらの企業の資金繰りや経営危機が多いく株価を下げている原因になっています。
理由3「ユニコーン企業」に集中して投資しすぎた
投資対象の企業価値が10億ドル(約1000億円)を超える「ユニコーン企業」だったことです。ソフトバンクの投資手法が未上場の企業に投資して成長させるというやり方なのですが、ビジョン・ファンドが参入した時期あたりから市場が膨張して、過熱した影響もあり、企業価値が目減りして本来の価値よりも高値掴みしてしまっていたということです。
こうやってみると、やはり、孫さんの投資は勝負師の投資だという感じがします。過去にアリババの投資で大化けさせたのは有名ですが、これら3つの投資も上手く転んでいたら巨額のリターンに繋がることは誰もが感じることですからね。
では、今後のソフトバンクは危ないのかって言うところについても考察してみようと思います。
ソフトバンクは大丈夫だけど、孫さんは厳しそう
今回のニュースを受けて、個人的な見解としては、赤字の原因そのものがビジョンファンド(投資会社)によるもので、キャッシュフローそのものが痛んでいるわけではありません。
SVFの評価損だけで1兆8000億円で、WeWorkとOneWebが8,000億円の損失となって、今後、Oyo、Uber、didiなどの企業も苦しくなってくると思うので、損失が更に拡大する可能性はあると思います。
一方、アリババやソフトバンクKKやスプリントなどはそれなりに利益を確保しているだろうから、経営そのものが危なくなるところまではいかないでしょう。
株価が戻れば大丈夫なのかなとも思いますが、今の、コロナショックの影響もあって、カンタンには行かなさそうな印象を受けています。
恐らく、ソフトバンクの自体も、この辺りのことが事前に分かっていたからこそ、少しまえの大型自社株買いに踏み切らざるを得なかったのだと思います。
前に書いたソフトバンク自社株買いの背景などを見てもらうと、ソフトバンクの会社自体は、まだ機能していく余地はあるけど、大株主の孫さんの資金がショートしてしまう可能性が出てきているので、注意が必要だと思います。
まとめ
今回のソフトバンクのニュースの巨額赤字は、前々から赤字にはあるなと思っていましたが、正直、もっとあると思っていました。
前年は1兆4100億円の黒字を叩きだして、今期は1兆3500億円の赤字ですからね。
その昔、「会社を立ち上げた時に利益を豆腐のように一丁、二丁と数える」というのを本で読んだことがありますが、黒字も赤字も1兆で数えるようになるとは、孫さんのスゴサでもあると思います。
チャレンジするからこそ失敗するわけですから、日本企業で大胆な経営方針で世界に挑戦しているので何とか盛り返して欲しいという気持ちで応援しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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