ネットフリックス関連のニュースをまとめ解説【NetFlixとテレビの違いが丸分かり】

嵐のドキュメンタリ配信をネットフリックスで独占配信がされると話題になり、今後、日本のメディアに大きな影響を与えると言われているNetflixに関連するニュースをまとめ解説します。一時はウォルト・ディズニー社の時価総額も上回るほどの評価を受けていたNetflixの思惑を紐解いていきます。

ネットフリックスについて

Netflixについて
  • 米国で1997年に創業されたDVD郵送レンタル会社
  • 低額で借り放題などのサービスを実施した会社
  • 2007年にはストリーミングの配信サービスを開始
  • 2010年頃からはiPhoneなどスマホにも対応
  • 米国ではGAAFではなくFAANGと呼ばれている

ネットフリックスは1997年に創業され、DVDの郵便レンタルサービスとして始まりました。日本におけるTSUTAYAのような巨大ビデオレンタル企業です。

そのネットフリックスは米国のビデオレンタルの最大手「ブロックバスター」を破産に追い込み、これまでにないストリーミング配信を行い今の地位を築きました。

日本では巨大IT企業の総称でGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)と呼んでいますが、米国ではFAANG(Facebook・Apple・Amazon.com・Netflix・Google)の5社と位置づけられています。

先日、米ウォルト・ディズニーなどが動画配信に参入を表明して、会員数への影響を懸念されていましたが、米国外の有料会員数で1億人を突破したという記事も出ていました。

2020/01/22 日本経済新聞↓↓
Netflix、利益4.4倍に 米国外の会員1億人突破

今後は、世界の有料会員数が増えて1億7409万人になると予想されています。

ネットフリックスの強み

Netflixの強み
  • 会員数が190ヵ国で1.5億人という圧倒的なシェア
  • 様々な賞なども獲得している質の高い独自コンテンツ
  • いつでもどこでも見られるストリーミング配信
  • 動画の質を落とさない高度なサーバーと技術力

ネットフリックスのビジネス戦略

ネットフリックスのビジネスの強みは、Amazonのビジネスモデルに非常に近い部分があり、あらゆるニッチな分野を埋め尽くしているところにあります。

それが、Amazon戦略の大きな柱にもなるロングテール(単品では売れない商品を多数扱って売上げを確保するネット特有の販売戦略)をネット動画で行ったところにあります。

更に、ネットフリックスの企業スタンスとして、

  1. より質の高いエンターテイメント
  2. より安い価格で提供する
  3. よりスケールを広く届ける

という3つに絞られており、日本だけだとニッチなビジネス戦略は、あまり上手く行かないとされていますが、ネットフリックスの場合はグローバルニッチの戦略を打ち立てているので成功したとされています。

潤沢な制作費用の使い方

また、ネットフリックスの強みとして上げられるのが、より質の高いエンターテイメントを追求するために潤沢な制作費用として、制作に膨大な費用を投下するところにあります。

昔は、独自コンテンツの配信は行っておらず、外部からコンテンツを購入してきては配信するというやり方で動画配信を行っていましたが、2017年から2019年までの3年間で製作費が1.6倍以上になっています。

ネットフリックスの製作費

2017年 89億ドル(約9731億円)
2018年 120億ドル(約1.3兆円)
2019年 150億ドル(約1.6兆円)

この2019年のネットフリックスの制作費用の金額は、日本の地上波のテレビ局が出している総額よりも多い金額を出しており、米国のハリウッドよりも金額が多いとされています。

さらにネットフリックとしては、製作費を膨大に投入(企画制作だけで数億円)など、テレビ制作だと企業CMやライバル企業など様々な制作に対しての縛りが出ますが、基本的にネットフリックスは、制作者にお金を渡して中身に対しては口を出さないと言うのがスタンスです。




ネットフリックスとテレビ業界

テレビ業界との違い
  • 誰がどんな動画をみているのかリアルタイムでモニター
    →テレビ視聴率だと得られる情報が少ない
  • 独自で動画のマーケティングをして高額の製作費
    →製作費で1.3兆円の規模になる
  • 高度なおすすめ機能で視聴者を逃さない仕組み
    →おすすめ動画で関連性の高い動画を個別配信

テレビの広告費用の価値基準としてあげられるのが視聴率ですが、テレビの視聴率だと、その時間帯にテレビが流れていたということだけしか分からず、マーケティング的に情報が少ないことが上げられます。

しかし、ネット動画の場合だと誰がどの動画を見たのか、自ら選択して視聴するため強いニーズを掴みやすいということがあります。

だからこそ、独自でマーケティングを行って高額の制作費用を投下することが出来るのだと言う事です。さらに、その高額の製作費で作ったコンテンツに似た類似作品をおすすめで紹介することで周回率を高めることが可能になります。

今のテレビでは出来ないことがネット配信では可能になると言った具合で、テレビ業界に大きく影響を与えることになりました。

日本TVとネットフリックス

具体的にテレビとネットフリックスを比較してみると以下のような数字が上がってきます。

日本テレビ ネットフリックス
売上げ 約0.4兆円 約2兆円
時価総額 約0.4兆円 約16兆円
日本のTV業界 ネットフリックス
資金源 企業スポンサーから貰う 会員のサブスクリプション
時間枠 決められた時間内で放送 時間は無制限んで枠規制なし
規制枠 自主規制が強い編集 自主規制に囚われない編

ネットフリックスの強みは、資金源となる会員のサブスクリプションで毎月1500億円が定期的に入ってくると言うところです。

その売上げが毎月サブスクリプションで入って来て、年間だと1兆6000億円ほどになります。

また、今の時代だとテレビはコンプライアンスに気を付けないと行けない状況で、自主規制が強く攻めた企画が作りにくいというところがあります。

ネットの動画配信だと、一定のファンにだけ偏った企画も作りやすいというところが適していて、最近だと嵐のドキュメンタリーの独占配信が話題になりました。

ネットフリックスで嵐ドキュメント配信

嵐ドキュメント配信の狙い
  • 2019年12月31日から毎月1年間配信予定
  • 世界190ヵ国で28言語の字幕に対応
  • 日本市場から世界市場に向けて発信
  • 嵐コンテンツの配信だと課金が狙える

2020年で活動を休止するとされている嵐が2019年の12月31日から1年間でドキュメンタリー動画を毎月配信するということでニュースになりました。

動画配信、「嵐」呼ぶ黒船来襲 NetflixやDAZN
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53892050X21C19A2X11000/

嵐と言えば、日本一の支出喚起力で「ドル箱コンテンツ」の象徴とされています。過去に記事を書いたことがあるので気になる方は見てみて下さい。

今回、嵐がネットフリックスと組んだのは、エンタメ業界からすると衝撃的なことで、ジャニーズ事務所再度からしたら嵐の解散に向けたドキュメンタリーを日本のテレビ局と組んでもそこまでのメリットはないと判断したということです。

活動休止までのリアルな素顔なんかを「世界中」の多くの人に見て欲しいのに、日本のテレビだとどうしても狭い範囲でしか配信されないからです。

日本のテレビ局はそれぞれ有料配信サービスを展開していますが、日本テレビはHuluを持っていますが、トライアルなどの会員数を含めても2800万人なのでネットフリックスとは会員数で見てもリーチが違います。

ジャニーズ事務所が世界戦略を取ろうとしたとき、日本のテレビ局ではそこまでの戦略が描けないので「嵐の活動休止」という機会を最大価値化するためにもネットフリックスと組むと決めました。

ネットフリックスの思惑

ネットフリックスの思惑
  • アメリカの会員数は6000万人で飽和状態
  • 日本の会員数は300万人程の会員数
  • 嵐のファンクラブは会員数が300万人程
  • 日本での知名度と会員数の獲得

今後、TV業界としては厳しい逆風が続きそうですよね。

これまでは、テレビ業界はライバルが不在だったのでエンタメでは独占市場だったのが、これからはネットで動画を見る文化に移行していくということです。

さらに、先日、ニュースではネットフリックスが2月からジブリ作品を配信するという記事も出ていました。

ジブリを世界に発信することでネットフリックスとしては、日本のアニメ映画をアジアやヨーロッパ、南米などの言語でみてもらおうとしています。

米ネットフリックス 2月からジブリ作品を世界配信

米ネットフリックスは2月から4月にかけて順次、「となりのトトロ」などスタジオジブリ(東京都小金井市)の21作品を日本と米国、カナダを除く世界約190カ国で配信する。

2020/01/20 日経速報ニュース
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54593740Q0A120C2TJ1000/

今後、ネットフリックスは日本の会員数を300万人から増加させていくために本腰入れて来ることが想定できます。

今までは、海外の人気動画を日本で配信していただけだったので、日本で流してもそこまでウケませんでしたが、今後は、日本人向けに合わせたコンテンツを配信してくるでしょうね。

これからもネットフリックスへの興味がありますので追いかけてまとめて行きたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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商品開発・動画制作・企画営業などマーケティング全般の仕事に携わってきました。現在は、企業のHP制作・動画制作・商品開発などのマーケティング業務を請け負いながら、海外輸入のECサイトの運営や「ひとりで稼ぐ力」をテーマに投資、副業などの資産形成に関する活動を展開。