Makuake(マクアケ)は株式会社サイバーエージェントの子会社で「購入型」のクラウドファンディングサービスを実施しているビジネスモデルの企業です。今回は、このMakuake(マクアケ)についてのビジネスモデルの解説と、現在、好調な株価の今後を考察してみたいと思います。
ビジネス、ファッション、アート、社会貢献、スポーツ、などの様々なプロジェクトと、支援してくれる出資者をマッチングするサービスです。
クラウドファンディングとは
Makuake(マクアケ)の事業と言うのは、クラウドファンディングになるのですが、そもそもクラウドファンディングとはどういうものなのか、改めて確認しておきたいと思います。
日本で主にクラウドファンディングが活用される時は以下の3つの形態が活用されています。
- 金銭的のリターンがない「寄付型」
- 金銭的リターンを伴う「投資型」
- 商品を購入することで支援する「購入型」
①の 「寄付型」とは、名前の通り出資者に対してリターンを与えることを予定していないクラウドファンディングのことをいいます。完全に、出資者からの寄付と言う資金提供で成立するタイプの資金調達です。
②「投資型」とは、出資者に対して、リターンを提供するクラウドファンディングのことをいいます。よくあるのが企業の所有権である株式を相手に対価として渡すケースが多いです。
この場合、新株発行の予約権を買ってもらって、企業の業績が上がったら新株予約権と株券を交換して、株価の上昇に伴う売却益を獲得する形で利益を得ます。
③の「購入型」とは、プロジェクト実施者が、出資者に対して、自社の商品やサービスをリターンとして提供するクラウドファンディングのことをいいます。
「投資型」の場合は、ハイリスクハイリターンの投資になるため、投資した金額が丸々損をしてしまうこともありますが、「購入型」の場合は、あらかじめ受け取る商品とかサービスが決まっているため投資した金額が丸々損をすると言う事がありません。
Makuake(マクアケ)のビジネスモデルとは
もともとMakuake(マクアケ)と言うのは、サイバーエージェントの社内ベンチャーから立ち上げられたクラウドファンディングの事業です。
それが結果的に軌道に乗ってサイバーエージェントの子会社として上場したと言う形なります。
サイバーエージェントがバックについていると言うことで考えると、「プロモーション力」の強みがあるので、テレビや雑誌、Web上など、幅広いメディアとの繋がりを使って、クラウドファンディングのプロジェクト情報を一気に拡散することができます。
「巨大なネットワーク」を利用することで「個人の小さな取り組み」でさも効率良くプロジェクトのPRができます。
また、Makuake(マクアケ)のクラウドファンディングでは、プロジェクト発起人は目標の資金調達が実現しなかった場合でも以下の2つの方法から選ぶことができます。
- 目標の金額が集まらなかった場合、そのままプロジェクトをやらなくてもいいケース
- 集まった範囲の金額でプロジェクトをやれるところまで実行すると言うケース
目標の金額に到達しなかった場合でも、プロジェクトを実行しなくてもいいと言うことは、簡単に言うとテストマーケティング的な使い方ができるということです。
金額が目標達成したらプロジェクトを動かすと言うことができますし、目標達成しなかったらプロジェクトを始動しないと言うことが選べます。
テストマーケティング的に、プロジェクトを立ち上げて、自分が立ち上げる事業などの世間の需要や反応をテストすることができるということです。
Makuake(マクアケ)側の手数料としては、資金調達で獲得した金額の20%と言う形なので、比較的大きい金額だといえます。
これまでの実績で言うと、最大の金額で約1億円の金額が集まったプロジェクトなどもありました。
Makuake(マクアケ)としては、その20%の二千万円を受け取ったことになります。
これは投資業界としてはそこまで大きな金額ではなくて、比較的小さい金額でのプロジェクトが多く立ち上げられている印象です。
やはり、購入型のクラウドファンディングと言うのは、ローリスクローリターンと言うビジネスモデルをとっているため集まる金額も比較的小さいと考えられます。
Makuake(マクアケ)に応募しているプロジェクトの発起人も、金額としては50,000円から1,000,000円を目標にしてプロジェクトを立ち上げている人が多い傾向にあります。
ただ、実際には、現在、Makuake(マクアケ)ビジネスが成長期にあって、多くの人たちから注目を集めているのもあって、プロジェクト自身が成立しやすい傾向にあります。
プロジェクトの目標を百万円の資金調達をしようとしている状況でも、目標をはるかに超えた一千万円くらいの資金が集まったりしているプロジェクトも多くあります。
そういう点では、Makuake(マクアケ)というのは、比較的、資金調達の目標達成というのは非常に高い割合で達成できている状況にあります。
今、現在では、Makuake(マクアケ)の審査に通りさえすれば比較的、目標の金額以上の金額が集まりやすい傾向にあるといえます。
Makuake(マクアケ)の今後について
現時点では、クラウドファンディングとして上場されている企業というのは、Makuake(マクアケ)だけなので、世間から注目を集めているため、株価としても好調な値動きをしています。
しかし、個人的にはMakuake(マクアケ)の今後のビジネス展開で言うと懸念点が2つ考えられます。
①流行に大きく左右される
今はまだ目新しいため、比較的多くのプロジェクトを出している人も多く、また、大勢の出資者もプロジェクトに資金を出資している傾向にあります。
しかし、これが、目新しさがなくなると資金調達が苦しくなる可能性があります。
購入型のクラウドファンディングを通じて、常に多くの出資者を集められる集客力がないと収益性が取りにくいと言う懸念が考えられます。
②他社に真似される可能性が高い
Makuake(マクアケ)のビジネスモデルというのは、仕組みとしては比較的に簡単なので、すぐに真似することができるのも懸念点としてあげることができます。
同じビジネスモデルが真似されやすいということになると、必然的に、手数料を10%にするなどの価格競争に陥りやすいということです。
この2つの点から考えると、今後、5年や10年というスパンでビジネスを見据えると、これらの2つの問題点を解消する必要があるのではないかと考えています。
現在、8月11日時点で株価は8280円になっていますが、個人的には今後は7400円くらいが妥当だと思っているので、今は少し高めではないかと考えています。
また、今後もMakuake(マクアケ)について注目して行こうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。