GDPが6.3%も減少して想定以上の景気悪化という事態について解説していきたいと思います。今後の景気はどうなのだろうと、気になっている方も多いと思います。いくつかの資料を基に解説していきたいと思います。
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GDP6.3%減について
10~12月期GDP、年率6.3%減 5四半期ぶりマイナス
内閣府が17日発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比1.6%減、年率換算では6.3%減だった。5四半期ぶりにマイナス成長に転じた。19年7~9月期は年率換算で0.5%増だった。
2020/2/17 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL17HUX_X10C20A2000000/
そもそも、GDPというのは「国内総生産」と言って、日本国内で一定の期間で生産されたモノやサービスによる付加価値の合計金額のことを指します。
カンタンに言えば、日本が儲けたお金の金額ということになります。
そのGDPがマイナス成長に転じたというニュースです。では、GDPが減少した理由と、今後の景気動向はどうなのかを少しまとめると以下の点が考えられると記事の中では記してあります。
- 消費増税前の駆け込み需要もなく個人消費も減少
- 世界経済の減速で自動車や機械などの輸出が低迷
- 企業の設備投資も米中貿易摩擦への懸念から停滞
- 新型コロナウイルスによる影響でインバウンド消費減少
- 新型コロナウイルスの終息時期が焦点となる
- 短期間で終息すれば回復シナリオにもどる可能性が高い
- 長期に及べば景気の基調に大きく影響する可能性がある
様々な記事では、日本の不景気の始まりだとも言われており、多くの人がこれからの日本に対しての危機感を強くもっています。
https://twitter.com/KoheiMorinaga/status/1229200580561604608
GDP遂にマイナス。年率換算で6%以上とはかなりです。これで消費増税は大失敗であったことが改めて明らかになりましたね。加えて、長年の緊縮財政、構造改革の結果でもあります。まずは消費税減税、今は「この道をまっすぐ」でしょ。https://t.co/7BxQaXpLDQ
— 室伏謙一 (@keipierremulot) February 17, 2020
【アベのやっているフリも通じない】2019年10~12月の実質GDP伸び率が前期比1.6%減、年率換算では6.3%減になった。最悪のタイミングまで先延ばしした消費増税の悪影響、米中貿易戦争後1年間近く続く輸出の減少も効いている。これから新型肺炎の悪影響がやってくる。https://t.co/lEsOtLY1x6
— 金子勝 (@masaru_kaneko) February 17, 2020
昨年の増税の影響もあって、エコノミストの予測もある程度は、落ち込むと予想されていて、GDPは3.7%程度落ち込むと予想されていました。しかし、その予想を大きく上回る落ち込み具合となりました。
政府としては増税を行う一方、2兆円程のキャッシュレス対策などを行い、消費への悪影響を抑えようとしたのですが、予想を上回る状況となっている感じです。
多くの専門家も今回のGDP急減について厳しい見方をしています。
経済学者の高橋洋一氏は、昨年からの軽減税率の対象を「全品目」に変えることはスグにでも出来るから、消費増税の穴埋めを「全品目の軽減税率」で早急に対応するべきと言う内容を提案していました。
新型肺炎で日本経済はさらに大打撃
1月27日:中国政府が海外団体
2月1日:日本政府が湖北省も滞在した外国人の入国を拒否
2月13日:日本政府が浙江省も入国拒否対象へ
これらのことから3月末までの中国人訪日客のキャンセルが40万人超にも及びます。
これを受け、りそな総合研究所が訪日外国人の消費が2月~5月にかけて4割(6244億円)減少すると試算を発表しています。
春節期間を見込んでいた小売業は、消費増税&暖冬&新型肺炎のトリプルパンチを受けているとのことです。今後、長期に渡り消費が落ち込むと製造業も落ち込み景気は減速します。
今は、毎日のように新型コロナウイルスについては、ニュースでやっていて、誰もが警戒していると思いますが、これまでの日本政府の対策で言えば、失敗と見ている人が多数の状況です。
何故なら、中国についで感染者が多いのは、香港で49名、韓国で28名(厚生労働省HP調べ)近隣諸国はこういう状況ですが、日本に関しては400人超という桁違いの感染状況です。
年間で約3200万人の外国人観光客が日本に来日しているわけで、その内、中国人の観光客は1000万人に上ります。
1人が10万円使う計算で見ても「1兆円」規模の大打撃を観光産業は受けていることになります。
GDPが減少から今後、何が予想される?
1:黒字と赤字リストラの加速
企業の業績が好調で黒字で利益が出ていても社員のリストラを行っている会社が多くなっています。2019年に早期の希望退職を募った上場企業35社の内、最終損益が黒字であった企業は約6割を占めています。
これらの企業の削減人員は合計9000人超と18年の約3倍に増えています。詳しくは以前に黒字リストラの記事を書いているので見てみて下さい。
今や、黒字でもリストラをしている企業があるのに、景気が悪化してくると当然、赤字の企業も出て来て「赤字リストラ」も増えてくるのは必然だと思います。
黒字&赤字のWリストラが加速すると更に景気の悪化が加速する流れは止まらなくなっていくでしょう。
2:高まる現役世代の負担
この話は、結構知らない人も多いですが、現在、厚生労働省は「厚生年金」と「国民年金」の積立金の統合を検討していることをご存知でしょうか。
これは、簡単にいえば「厚生年金」が「国民年金」を救済しようという方針で、厚生年金に入っている人は、ほとんどがサラリーマンが多いため、年金を多くもらえて財政的に恵まれているよね。
だから、自営業の人や非正規雇用者の人の「国民年金」の給付が少なるのを助けてあげてほしいという仕組みです。
会社員の人からは「バカ言ってんじゃないよ・・・」って声も聞こえてきそうですが、実は、こういうシナリオが既に議論されているのです。
また、日本医師会も会社員の負担増を提案している最中であり、景気が悪化すると、サラリーマンの人達の実質的な負担が増えるのは避けられなくなってきます。
3:五輪終了後の不景気
そもそも、これだけGDPが減少してオリンピック出来るのか・・・下手したら今のコロナウイルスなどの影響から「中止」という方向にこないか心配ではありますが、オリンピックが終了後は景気が低迷すると言われています。
1964年の東京オリンピックでは、五輪が始まる2年前くらいから高度経済成長期の好景気もあり、道路や競技施設などのインフラ整備の需要が景気を押し上げていました。
しかし、オリンピック終了に合わせて需要が減少して、景気そのものが悪化しました。
今回の東京五輪でも様々な予想がされており、一説には不動産価格が下落して多くの大家さんが倒産していくことになるとも言われています。
まとめと対策について
今後、個人が備えについてまとめると、以下の点になります。
景気の悪化が予想される中、会社に頼っているだけや、今の政治に不満を持っているだけでは、本当の不景気が来たときに対応が出来なくなります。
やはり、いざと言う時に備えて「自力で稼ぐ力」を備えることはとても重要だと思います。
副業から初めてもOKですし、思い切って起業するのもOKだと思います。大小を問わず「自分で稼ぐ」ことへチャレンジすることが、これからの時代を生きて行くための一番重要な力だと私は思っています。
この考えは、リスクと隣合わせなので投資などをしたことのない人には、推奨はしませんが、不景気が来て株価が下落すると言うのは、投資のチャンスでもあるわけです。
以前のリーマンショックの時でも、土地の値段などが暴落して5分の1とかまで値段が落ち込んだ時に、多くの現金を持っているお金持ちは、底値で土地を買いあさり高値を売り抜けると言う形で儲けた人も現実的に存在します。
ピンチはチャンスとして、ものにするには「現金」や「資産」が必要なので、資金的に余裕がある人なら、不景気を狙い撃ちしてみても良いかもしれません。
ただし、底値を見分けるのは、非常に難しい投資判断が必要なので、自己責任でお願いします。
今回は、GDPが6.3%減少したというニュースから今後、会社員や自営業の方達に、想定されるリスクなどについて解説をしました。
なんと言っても、新型コロナウイルスに関しては、既に感染して大変な人も多いでしょうし、景気悪化の原因にもなります。
一刻も早く政府に対策の方針を出してもらいたいものです。こういう時に与党も野党も一致団結できずに大ナタを振れない政治体制に辟易する日々です。
今後も、GDP減少からの景気悪化については、記事にしていこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。