仕事を始めたビジネス初心者にオススメの10分で分かる会計の本「新人会社員から社長までビジネスでいちばん使える会計」の本をご紹介します。数字が苦手というビジネスパーソンにビジネスですぐに使える会計思考を伝授します。
Contents
新入社員から社長までビジネスにいちばん使える会計について
この本の著者は、安本隆晴氏という方でユニクロの成長を25年間支えた会計のエキスパートです。この本の要点を以下の4つにまとめています。
- 会計思考とは「道具」
- まず覚えておきたいのは「決算書」
- 会計思考の儲け術は「分解」
- 目標達成は「会計PDCA」で出来る
これら4つの項目について、具体例を交えながら深掘り解説をしていきます。
会計思考とは「道具」
一つ目は会計思考とは「道具」についてですが、ビジネスを成功させようとした時、どうしても事業の内容ばかりを重視してしまいますが、事業内容と同じくらい大事なものが会計思考という考え方であると本書では述べられています。
そもそも、会計とは何ぞやと思った人に向けて、まずは解説したいと思います。
著書の安本隆晴氏は、会計について次のように定義しています。
会計とはビジネスの行動指針になると共に、事業の関係者に活動成果を報告するための「道具」つまり、会計というのは経営者が会社の舵を取るための「道具」と考えると分かりやすいと定義しています。
単純な話ですが、商品やサービスがお客様に気に入られれば、儲けは出て気に入られなければ儲けは出ません。
経営者は最初からきちんと儲けが出て、その儲けをどう使えば事業が続けられるのかを考えます。
この時に、このまま行けると判断することや、このままでは危ないと判断するためのセンサー的な役割を果たすのが「会計」と考えられています。
そして、もう一つ大きな役割としてあるのが会計は「成績表」にもなるということです。
出資してくれた株主や、お金を貸してくれた銀行などに対して、私の事業はこんな状況ですと説明する資料にもなります。
その時に、会計などの資料があると、融資などの判断をする時の「成績表」のようなもおで、しっかりと数字の裏付けがあるので説得力が高まります。
このように、ビジネスには会計が必要不可欠であり、経営者であれば必ず知っておきたい知識だったりするのです。
まず覚えておきたいのは「決算書」
二つ目に覚えておきたいのは「決算書」についてです。
会計というのが経営者にとって、舵取りの「道具」であり、または「成績表」でもあるということが分かったと思いますが、厳密にいうと会計には「財務会計」と「管理会計」の二つがあります。
- 賃借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
- 会計方針・注記
株主銀行税務署など、社外関係者に情報を伝えるための会計です
- 原価計算書
- 事業部別損益表
経営者や管理者などの社内関係者に情報を伝えるための会計です
この、管理会計の中でも押さえておきたいのが「決算書」です。
決算書とは、賃借対照表、損益計算書、キャッシュフローの3つの計算書のことです。
賃借対照表
一年間の決算日におけるプラスの財源と、マイナスの財源の状態を表し、それを差し引いた純資産を示します。
必ずチェックしておきたいのが現金及び預金、棚卸資産、借入金、純資産合計です。
損益計算書
期末日までの1年間の収益と費用を表しそれらを差し引いた利益を示します。
必ずチェックしておきたいのが売上高売上、総利益営業利益です。
キャッシュフロー計算書
末日までの1年間のお金の流れに注目し、営業活動、投資活動、財務活動の三つの動きを示します
必ずチェックしておきたいのが営業キャッシュフローキャッシュの期末残高です。
会計思考の儲け術は分解
前の項目では、会計とは何か決算書で押さえておきたいポイントをお伝えしましたが、ここからは、ビジネスの現場で実際に役に立つ会計数字について解説していきたいと思います。
会計数字を使って、売上を増やして利益を上げるには、何をすればいいのでしょうか。
それが売上高を「分解」することです。
売上高を複数の要素に「分解」することで、売上を増やす具体策が建てることが出来ます。
以下の6つの方法で業種を問わずに分解することができます。
- 売上高=客数×平均客単価
- 売上高=商品数×平均商品単価
- 売上高=市場全体の売上高×当社の市場シェア
- 売上高=既存店売上高+新規点売上高
- 売上高=既存顧客数×平均既存顧客単価かける平均新規顧客単価
- 売上高=既存商品売上高+新商品売上高
この中でも最もシンプルで重要な項目として「売上高=客数×平均客単価」は押さえて起きましょう。
そもそも売上というのは、お客様に商品を売った対価になるので、客数と客単価の掛け算で求められます。
単純に客数を伸ばすか、客単価を上げるかで売り上げはスグにアップするということです。
単純に1日の売上高が客数60人で客単価800円=48000円のお店があったとします。
この状況で、集客数を10%増やして、客単価を10%アップさせたとしたら客数66人×客単価880円にあるため58,080円になり、1日で1万円近く売上がアップしたことになります。
客数と平均客単価を「分解」したことで、具体的に売り上げアップに必要なやるべきことがわかって、売上アップにつながったということです。
このように、会計思考というのは実際の現場を変える思考だということです。
目標達成は「会計PDCA」でできる
売上高を分解することで、やるべきことが明確になるということをお伝えしましたが、最後は目標達成するための会計思考です。
目標達成するには何をすればいいのか・・・
その答えは「PDCAサイクル」にあります。
PDCAサイクルとは、プラン計画、DO実行、チェック評価、ACTION改善の頭文字を取った業務改善の手法のことを言います。
会計思考でPDCA を回すことで、効率的に目標達成を実現していくことが可能です。
- 顧客の役に立っているのか?
- 会計思考しているか?
顧客の役に立っているのかとは、顧客思考ができているかどうかを検証します。
というのも、会社というのは放っておくと、組織の論理や利益を追求してしまう性質があるので、そこを基準にPDCAを回しても目標を達成できません。
顧客の役に立つことを起点に、授業を組み立てて行きます。
会計思考しているかとは、利益と現金をどう増やすかを考えて行動することです。
その事業の儲けの構造と、現金収支の構造を意識しながら考え、PDCAを回すことで目標達成することができます。
この二つの視点に立つことで、会計思考のPDCAが回りだすのです。
では、どれくらいの頻度でPDCAを回していくことが良いのかということです。
PDCAサイクルを取り敢えずいっぱい回せば良いと思ってしまいがちな人が多いですが、それは間違いです。
著者は、PDCAサイクルを次のように提示しています。
経営理念、ビジョンの策定、給与体系、人事制度の策定、会計基準の採用などは数年に1回の見直しの低速回転が良いとされています。
組織改編、人事異動、業務評価などは年1回から2回の中速回転が良いとされています。
販売管理、購買管理、物流管理、外注管理、生産管理などの経営戦略に関わる業務プロセスは月1回、または年1回の高速回転が良いとされています。
経営理念や人事制度のように全社員に浸透させる必要があったり、運用の成果が出るまでに時間がかかったりするものは、数年に1度の見直しが推奨されています。
経営戦略に関わる業務などは、常に高速回転させることが業務改善へと繋がるのです。
顧客の役に立っているのか会計思考しているかを意識しながらPDCAを適正の頻度で回すことで、目標達成へと向かえるのです
まとめ
- 会計とは舵取りのの道具と心得る
- まずは決算書の読み方を体得する
- 分解してやるべきことを明確にする
- 会計思考のPDCAを回す
*PDCA参考記事
新入社員から社長までビジネスにいちばん使える会計の本の超重要なポイントのみに絞って解説してきました。
まだ読んでない人はこの機会に是非読んでみても良いかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。