4月になると新しい職場で働く人も多くなります。新社会人で営業職に就いた人向けに、営業経験を持つ立場から営業職の基本からわかりやすく解説していきます。
多くのビジネスパーソンの根幹となるのが営業活動です。将来、社長を目指す人や、個人で仕事をするにしても必ず営業活動というのは必須になります。
IT技術の発達と浸透によって、営業の方法も変わっています。ITと科学を上手に活用して、営業の成果を大きく上げることを目的に解説していこうと思います。
私は、15年間のインサイドセールスを中心に行い、WEB教材、DVDのコンテンツの販売を通じて、1人で年間売上2億円を売上げた経験があり、グループ全社で1位を獲得したこともあります。
その後は、新入社員に対して、営業を教えていたのですが、研修に関わった新入社員には、「営業について学んでおくと一生の役に立つ」と言っていました。
商品やサービスによって売り方は、若干、異なると思われるかもしれませんが、営業の基本部分というのは同じです。
これから、何回かに分けて配信する、営業の基本を身につければ、もっと楽しく商品やサービスに適した営業ができるようになるでしょう。
気合と根性で売る営業はバカげている
そもそも、営業という仕事は何でしょう。
これを入社してきた若い新入社員に聞くと「モノを売る仕事です」と返答が返ってきます。
また、過去に営業職についていた人に、営業職のイメージを聞くと「得意先を相手に頭を下げて、ご機嫌伺いをする仕事」だったり、「他人の家に飛び込みで売り込むような仕事」という印象を頂いている人もいるのは事実ですが、これは、本当の営業職の姿ではありません。
「営業」というのは、英語だと「マーケティング&セールス」という言葉に相当します。
私の考えでは、マーケティングで重要なのは集客で、セリングで重要なのはセールスプロセスになります。
集客(マーケティング)して、顧客の課題を明確(ニーズを顕在化)にして、顧客の問題を解決するのが営業です。
優秀と言われるような営業のビジネスパーソンは、営業にマーケティングの要素を取り入れて活動しており、昔ながらの「気合いと根性」で売るといったセールスは、まったくバカなイケてない営業のやり方です。
営業の基礎を身につけよう
まったく営業に関わったことがない人に、いきなり現場に投入して「見て覚えろ」的なバカな上司に遭遇したら、即刻でその職場は辞めましょう。
営業というのは、プールで泳ぐのと似ていて、泳げない人をプールに放り込んでもダメです。
新入社員が、これといった研修も受けないで、いきなり営業現場に入れられて、どうしていいか分からずに、困惑するような話はよく聞きました。
これは、イメージだと中小企業に多そうな感じもしますが、そんなことはありません。大企業でもけっこうあります。
いきなり、営業の現場に入れてしまうというのは、泳げるかどうかわからない人をプールに放り込んで、泳ぎなさいと言っているようなものです。
これで、多くの才能を開花する前に営業職から、人が脱落して営業という仕事に対してイヤなイメージだけが残っていきます。
そういう人たちに限って、気合いが足らないとか、最近の若い奴はとか・・・
頭の悪いことを言ってくるので、これでは何の解決にもなりません。
泳げない人には、まず水の中では基本的に人が浮力で浮くから、浮き方と手と足の動かし方などを習得して、順序だてて泳げるように指導していくものです。
営業で言えば、これに相当するのが、名刺交換だったりします。器用な人だと、教わらなくてもできてしまう人もいるでしょう。
しかし、基礎を身につけておけば、名刺交換の際に、印象に残るあいさつや応用にもなったりするものです。
情報提供型のコンサル営業を知ろう
私が若い頃には、「千三つ」ということがあって、これは、成約率0.3%のことを意味します。
どれだけ成約率が低い営業マンでも、成約率0.3%は取れるんだから、数をこなせば良いじゃないかという考え方です。
営業の現場そのものが、メーカー主導型から消費者主導型に変わった、今の時代では、ただ顧客に会いに行って、みくもに売り込んでいても成果は得られません。
そういう意味では、昔、から言われている「成約率×訪問件数」には既に限界が来ていると言えるでしょう。
これからの営業というのは、たとえBtoC(企業から消費者へ)であっても、丁寧にアポイントを取って、ニーズを聞いて(ヒアリング)、解決策をプランニングしていくという情報提供型のコンサルティング営業が重要になります。
今でも、飛び込み営業がまったくダメだとは思いませんが、ムダが多すぎるのと、人が物理的に訪問できる件数なんて限りがあります。
以前に、家に来た飛び込み営業をしている営業マンと話をしたことがありますが、週に2件の成約を獲得するために、成約率が5%としたら、40件は訪問する必要があります。
こうなってくると、身体を酷使する以外の方法が出てこない消耗ばかりするので飛び込み営業はおすすめしません。
売り込むよりも情報提供を先にしよう
信頼関係を築くことが前提条件にあるのは当然ですが、何もせずに信頼関係を築くことは出来ません。
よくある失敗は、久しぶりに営業マンが顧客に連絡を入れたら「もう別の所と契約していた」というケースです。
これは、信頼関係が築けていなかったケースです。
そうならないためにも、顧客と会って、常に有益な情報を提供するポジションを取ることが大切です。
営業の一つのコツは、売るのはではなく「情報を提供する」ことが大切です。
情報を提供して、潜在客が見込み客になると、アポイント→アプローチ→ヒアリング→プランニング→プレゼンテーション→クロージング(契約)へとステージが進んで行きます。
よくある失敗例は、まだアプローチ段階なのに売り込んでしまう、付き合ったばかりの彼女に結婚を申し込んでしまうようなミスもあります。
よく、顧客のニーズを聞き(ヒアリング)、しっかりとした提案(プランニング)を考えることが大切です。
コメントを残す