「圧倒的に生産性の高い人」には共通点があるということ視点から「イシュー(本質)」を説くという内容です。問題解決のプロの思考プロセスを垣間見ることが出来ます。実際の日常で実践できるようになるために意識して取り組んだら良くなりそうだと思い、個人的にこれならできるかもというレベルで噛み砕いて解説していきます。
この著書は以下のような方が読むと参考になります。
・情報収集や整理は好きだけど、その情報をアウトプットするのが逃げてと感じている人
・短期間で周囲が驚くようなアウトプット力を発揮して生産性が高いビジネスパーソンを目指す人
・基本的なロジカル思考は身に付けていルガ、さらに論理的思考力を伸ばしたい人
この本で言っていることを一言で言うと・・・
「生産性を上げたいなら、重要なことだけに集中しろ」ということです。
以下、3つの観点で解説していきます。
- イシューに集中する
- 仮説を立てる
- スピードを意識する
※重要な箇所の黄色下線部を読むだけでも8割は本書の本質を理解してもらえると思います。
「イシューに集中する」とは何か
イシューとは「重要」なことになります。
いわば、「重要なことのみに集中しろ」これがこの本の一番大事なメッセージです。
生産性の高い人というのは、一つ一つの作業が普通の人の10倍や20倍速いわけではありません。
生産性の高い人は、物事の本質をつかむのがうまく、重要なことだけに集中しているのです。
そう言う意味では、生産性の高い人は、物事の本質をつかむのがうまいと言うことです。
そんな「本質」のことを本書では「イシュー」と呼んでいます。
個人的には、一つ一つを早くやるより、やることを削ることが大切なのだろうと言うこと。
世の中で問題と思われているものの内、本当に解く価値がある問題というのは、全体の1%だけとされています。
本当に解く価値がある問題ということで言えば、「仕事」だけでなく「人生」も重要なことに集中することが大切です。
そんなに興味がないことに時間を費やすには、人生はあまりにも短いです。
人生も自分が一番大切にしていることに集中しましょう。
イシューに集中するためには、問題にすぐ取り掛かっていてはいけません。
まず重要なことを見極めろということです。
まずは、問題に取り掛かって行こうとするのが普通ですが、それでは駄目です。
解くことよりも問題を見極めることに全力を費やします。
仕事も人生も、本質を見つけて本気で取り組むべきたった一つの目標を定めることが大事です。
一生懸命うさぎ跳びをしたところでイチロー選手にはなれません。
一番重要な問題だけに集中し、正しい努力を正しい方向に向けることが大事です。
正しい努力を正しい方向に向けることが大切です。
会社で未だに聞く根性論とか言っているようではダメです。
死ぬ気で営業したところで本質が分かってないと無駄になります。
チームでも実習を明確にし何のためにやるのかという意思統一をしておくことが重要です。
生産性が下がってきてもチーム全体でイシューを再確認することで、生産性が復活します。
つまり、常に一番重要なことを意識することが大切なのです。
そしてイシューを発見したら、まず全体のストーリーを組み立てることが大切です。
まず全体のストーリーを組み立ててしまうんです。
間違っても身近なところからコツコツ始めようとは思ってはいけません。
ここで次のポイントの仮説を立てるが、全体のストーリーを組み立てることが必要になります。
自分なりの仮説を立てて検証していく
イシュー(重要なこと)を決めたら、次は仮説を立てましょう。
イシューを明確にしたら、次は仮説を立てて全体のストーリーを組み立てることが重要です。
まず、正しそうな答え、つまり仮説を考えて、それが正しいかどうか検証し間違っていれば次の答えを考えていくという流れが大切です。
仮説を考えてそれを検証し、間違っていれば次の仮説を考えるという仮説検証のサイクルです。
仮説の立て方は、例えば教育市場はどうなっているのかではなくビジネス書、大学セミナーなどの教育指導は YouTubeに流れているんではないかと範囲を絞って自分なりの仮説を立てることが大切です。
最初にイシューと仮説を決めることで、無駄な作業を減らせます。
仮説を立てると可能性のあるすべての答えを一つ一つ検討していくより正しい答えにたどり着くスピードが速いです。
また部下に仕事を与えるときも仮説を立てることで、部下は何をどこまで調べる理解します。
部下に仕事を振る時も仮説を立ててあげましょう。
そうすることで何をどこまで調べるべきかが分かります。
上司の役割は、イシュー(本質)を見極めることと、仮説を立てることだと言えるでしょう
仮説を立てるやり方の逆は最終的なアウトプットを考えずに、闇雲に情報収集してしまうやり方です。
学生なら過去問を調べずに教科書を1ページ目から全部理解しようとするやり方のようなもので、とても非効率的です。
仮説による方法は少ない情報で全体の構成を考え、必要な情報だけを追加で調べるやり方です。
仮説による方法は少ない情報で全体の構成を考えるようにしましょう。
言うならばさらっと教科書の全体を把握し、テストで聞かれるポイントを知った上で、必要な部分だけ読み直す方法です。
多少荒削りでもいいから早く仮説を作り、何度も仮説検証サイクルを回すことです。
ビジネスの現場で言えば、ざっくりしたプレゼン資料でも情報が足りなくても良いので、とりあえず大まかな方向性が正しいのか検証して繰り返します。
「情報が少ない段階から常に問題の全体像や結論を考える」これらの思考スタイルを仮説思考と言います。
仮説思考によって結論から考える上でのメリットは3つあります。
- 仕事をこなすスピードが早くなる。
- 仕事のクオリティが高くなる。
- 物事の全体像を把握する力が備わる。
仕事をこなすスピードが早くなるのは、あらかじめ「仮の答え」を見つけてから検証するため、やみくもに調べるよりも早くなりスピードが上がります。
そして、最初に結論を考えると仕事の質も高くなります。
仮説検証のプロセスを繰り返すことによって、仮説の精度が上がり、意思決定の質が上がっていきます。
最後の三つ目は、仮説思考で初めに結論を考えることによって、全体像を把握する力がアップします。
この三つを言い換えると仮説思考で決断力、先見力、大局観などが向上すると言えるでしょう。
最初は慣れなくても「結論」から考える習慣をつけようということです。
また、仮説思考のコツとしては、とにかく少ない情報で考えることです。
フェルミ推定なども同じ考え方ですが、間違ってもいいからとにかく最初に仮説を立てることが重要で、むしろ仮説が外れた時の方が大きな発見につながること多いからです。
情報が多ければ多いほど良い意思決定が出来るというのは、仮説思考の邪魔になります。
少ない情報しかなくても、たくさん情報を集めた人と同じ質のアウトプットができる人が勝ちます。
これが今、日本に求められている生産性の高い人です。
仕事を与えられるとすぐ作業を始めてしまう癖のある人は、その前に30分でいいから全体像を考えるようにすべきです。
少ない情報で最終的なアウトプットや全体像をイメージできると仕事の効率が格段に上がります。
例えば、本などのアウトプットなら要点だけ掴んだら読み始める前に最終的なアウトプットをとりあえず作るということです。
またイシューと仮説は言葉として、表現することを徹底するのが大切です。
言葉にできない時は、イシューの見極めと仮説の立て方が甘いということです。
言葉にすることで、どれだけ自分が落とし込めているかが分かります。
スピードを意識して思考の断捨離を意識的に行う
優れたアウトプットをするには、スピードを上げることが重要で、スピードを重視する上で悩むことが最もダメとされています。
悩むとは答えが出ないと言うことを前提に、考えるフリをしていることです。
悩むことには一切意味がありませんので、悩んでいることに気づいたらすぐに休憩をする方が良いです。
10分考えてラチがあかないなら、それはもう悩んでしまっている可能性が高いため一旦休憩します。
また、アウトプットが効率的でない原因として、丁寧にやりすぎるというのもあります。
「完璧主義」を捨てないと「生産性」は上がらないので、常に80%の出来を目指しましょう。
スピードを上げるには本質的でシンプルにすることで、スピードを上げるには「本質的」と「シンプル」この二つを意識することが大切です。
本質のみに集中して、他は思い切って切り捨てることで生産性が上がります。
ただでさえ日本の生産性は先進国の中で最下位なので、これからの時代、日本人はスピードを意識することが求められます。
スピードを上げるには捨てまくってシンプルにすることです。
最終的なアウトプットのまとめの作業は一気に全体を仕上げることが大切です。
まとめの作業に取りかかる前にどのような状態になったら完成なのかという具体的なイメージを描きます。
最初に全体像をイメージすることが、スピードアップに大切です。
実際のビジネスの現場では「何を伝えたいのか」をプレゼンの前面に出します。
何を伝えたいのかというのが常にわかるようなプレゼンにしましょう。
本質のみのシンプルなプレゼンがいいんです。
シンプルに無駄を無くすことで、聞き手の問題意識が高まり理解度は大きく上がります。
「イシューからはじめよ」の世界では何となく面白いもの多分大切だと思うものなのは要りません。
「本当にこれは面白い」「本当にこれは大切だ」というイシューだけがあれば複雑さは一切いりません。
無駄を削ぎ落とし構造も流れも明確にします。
その上でシンプルにするにはグラフやチャートなども「 1チャート1メッセージ」にしましょう。
パッと見で伝わらないチャートはダメなチャートという認識を持ち、チャートの説明は「これ以上できないほど簡単」にします。
グラフのタイトルで業界の動向といったタイトルは何のメッセージにもなっていません。
そうではなくグラフで伝えたいメッセージをタイトルにします。
これは文章を書くときの各章ごとのタイトルなども同じで、そのタイトルだけで読者が何か得るものがなければだめなんです。
タイトルだけ読んで読者が何か得るものがなければだめなので「タイトルだけでわかる」ようにしましょう。
ワンフレーズでも利き手の時間を無駄にしないように気をつけることが大切です。
しかし、相手の信用を高めて、話を聞く態勢にするための説明ならOKです。
プレゼンなどは、忙しい社長さんを相手にすることが多いケースが多いので有益にならない話はなおさらNGです。
「エレベーターテスト」と言って、ばったりと社長とエレベーターに乗り合わせた時に、エレベーターを降りるまでの時間で概要を簡潔に説明できるかというものです。
その時間は、大体30秒間しかありませんので、このテストによって自分がそのプロジェクトについて、どこまで本当に理解して、人に説明できるようになっているかというのを測ることができます。
とにかく「本質的」「シンプル」「悩まない」という三つを意識してスピードを上げましょう。
まとめと教訓化
今回の「イシューからはじめよ」を簡潔にポイントをまとめると以下の点に教訓化することが出来ます。
- 重要なことのみに集中する
- 物事の本質をつかみ重要なことだけに集中する
- 一つ一つを早くやるよりもやることを削る
- 本当に得価値のある問題は全体の1%だけ
チームワークでもイシューを確認する
・正しい努力を明確にしたら、次は仮説を立てる
・作業を始める前に30分は全体像を考える
・仮説を立てて間違っていれば、次の仮説サイクルを回す
・部下に仕事を与えるときも仮説を立てる
・少ない情報で全体の構成を考えて必要な情報だけを調べる
・情報不足でもざっくりしたプレゼン資料を完成させる
・結論から考えることを習慣化させる
・イシューと仮説は言葉として表現する
・生産性を上げるには常にスピードを意識する
・10分考えてダメなら一旦休憩する
・捨てまくってシンプルにすること
・30秒でプレゼンできるように頭に落とし込む
・本質的、シンプル、悩まないの三つを意識する
今回は「イシューからはじめよ」安宅和人著を読んで学んだことを解説しました。
今回の説明で全てを解説できたわけではないので、全てを知りたいと思った方は、これを機に本書を読んでみてください。
『イシューからはじめよ〜知的生産のシンプルな本質〜』
安宅和人(あたかかずと)著