発刊されてから10年以上が経過しているにも関わらず、ビジネスの名著として取り上げられる「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」のビジネス書を6分で分かるようにまとめて要点を解説。
この本は、経済的な不安が尽きないと悩むビジネスパーソンに向けて、お金の不安を解消する教養と人生設計のヒントになればと思ってご紹介します。
この本の著者の橘玲(たちばなあきら)氏は、2002年国際金融小説マネーロンダリングでデビューし、今回紹介する「お金持ちになれる羽根の拾い方」では、30万部のベストセラーを記録して、2017年に新書大賞を受賞しました。
結論から言うと、この本の要点は、以下の五つのポイントになります。
- 「黄金の羽」とは「お金持ちになる近道」
- お金持ちになる方法は「たった三つ」だけ
- 「資産運用」では「常識を捨てる」べし
- 奪われないためには「マイクロ法人化」
- 知識社会の働き方は「クリエイティブクラス」
これらのポイントを1つずつ解説していきます。
Contents
「黄金の羽」とは「お金持ちになる近道」
著者が定義する「黄金の羽根」とは制度の歪みから構造的に発生する「幸運」を手に入れたものに大きな利益をもたらすものといった意味があります。
これは、必要な情報を的確に入手して、それを活用することが出来る人は、いくらでも近道ができるという意味です。
現代は知識社会とも呼ばれ、 ICT (情報通信技術)の発展が盛んに行われています。
この知識社会において知識が持つ価値は「使い方次第」で大きな利益をもたらします。
具体的には、本書の中では2002年サッカーの日韓 W杯での「チケット争奪戦」の話が取り上げられています。
当時、日本国内では1枚7000円のチケットがネットオークションで20万円以上で売られており、スポンサーに対してたくさんハガキを送ったり、ひたすら電話をかけたりする人もいました。
一方、ほぼ全試合のチケットを手に入れ、全国の会場を転々としながら楽しんでいる人もいました。
では、それだけ会場を転々とした彼らは、どうやって全試合のチケットを手に入れたのでしょうか。
理由はカンタンで、海外販売分のチケットが大量に売れ残っていた為、この売れ残ったチケットを彼らは、インターネット経由で簡単に手に入れたのです。
ここで抑えておきたいのは、両者の違いはどこにあるのかということです。
それは、単純に「知っているか否か」です。
知識社会において、知っているということは強い武器であり、知識が持つ価値は絶大となります。
このことから「黄金の羽」は知っている人に舞い降りてくるということです。
お金持ちになる方法は「たった三つ」だけ
知識社会において「知っている」とうことは、強い武器になるということがわかりました。
では、原点に返って、そもそもお金持ちになるには、何を知っていればいいのでしょうか。
それが、次の方程式です。
資産形成=(収入ー支出)+(資産運用+運用利回り)
誰もが一度は見たことがあり、知っているようなこの方法が実は、お金持ちになるための鉄則だというのです。
世の中にある多くの「お金持ちになる本」の多くは、純利益を増やし、本業の収益力を向上させて、保有している資産を有効活用するという原理に基づいています。
そして、この方程式を分解すると、以下の3点に分けることが出来ます。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 運用利回りを上げる
この3点になります。
著者は、本の中でこの方程式について、具体的に10個のルールをあげていますが特筆すべきは純利益の確保です。
これは、お金持ちの方程式で言えば(収入ー支出)の収入の部分にあたりますが、なぜ、純利益の確保が重要なのか。
それは、どれだけ素晴らしい資産運用をしていたとしても、収入が無ければ全て水の泡となるからです。
安定した純利益の確保が資産形成をする大切なことで、大きく言えばお金持ちになる第一歩なのです。
「資産運用」では「常識を捨てる」べし
お金持ちになるには収入を増やして、支出を減らし、運用利回りをあげることが必要ということは理解出来たと思います。
ここで気になるのが「運用利回りを上げる」ことです。
実は、運用利回りを上げる資産運用にも原理原則があります。
著者はこの原則を10項目にわたり述べていますが、ポイントを絞り込むと以下の2点を抑えておけばいいと思います。
- 不動産投資を買ったら資産運用はそこで終わり
- 短期投資はギャンブルである
いくつかの項目の中でも、この二つを押さえておくべきです。
不動産投資を買ったら資産運用はそこで終わり
結論から言うと、持ち家を住宅ローンで購入した人は、そこで全ての資産運用が終わっていると言うことです。
なぜなら、投資の成否は完全に不動産価格と運命を共にしているからです。
もし、不動産価格が下落すればなすすべがないということです。
短期投資は、ギャンブルである
そもそも投資というのは「長期的に見れば資本主義と市場経済の下で企業の利益はインフレ率以上に拡大する」という見通しの上で資金を投じることを指します。
短期投資が「ギャンブルな理由」は、信用取引を使った短期売買となると現物、信用、ロング、ショート、問わず全ての株取引は投資ではなく投機となるからです。
これらの2点を踏まえると、現代は、これまで資産運用の常識と言われていたことが非常識になっている時代と言えます。
奪われないためには「マイクロ法人化」
これまでの流れで資産運用の常識が、現代においては非常識であるということと、収入を増やし支出を減らし、運用利回りを上げるという方程式があることがお分かりいただけたと思います。
しかし、人はどうしても収入を増やしたり運用利回りをあげたりと増やすことばかりを考えてしまいますが、支出を減らすこともお金持ちになる重要な要素となります。
支出を減らす上で知っておかなければならないのが、サラリーマンは「国家からの収奪の対象」となっているという現実です。
サラリーマンの実質税負担は、過酷で収入総額の約3割を占めます。
そこで、著者がオススメしているのが「マイクロ法人」です
マイクロ法人とは同族会社のことで「資本の50%以上を本人」または「本人の関係者が保有」する会社のことです。
なぜ、マイクロ法人がいいのかと言うと、合法的な範囲で出来るだけ税金を払わなくて済むからになるからです。
つまり、マイクロ法人化で、個人と法人の二つの性質を使いこなすことで、歪んだ制度の「負」の負担を背負わなくて済むということです。
知識社会の働き方は「クリエイティブクラス」
最後の5つ目の知らなければことは、人生を最適設計する働き方です。
この働き方を知るには私たちの生きる「今」を知る必要があります。
現代はグローバル化した知識社会であるということは、冒頭でも述べましたが、知識社会と言うのは「知」が権力として作用し、そこから富が生まれる社会のことを意味します。
この知識社会はテクノロジーの発展に適用すべく、知的能力を基準に労働者が編成されるのが特徴です。
それでは、この知識社会を生き抜くためには、どんな能力が必要とされるのかというのが、本書の中では以下の2点にまとめられています。
- 文字や言語を操作する「言語的知能」
- 問題を論理的に分析・数字的に処理する「論理数学的知能」
この2点が上げられています。
これらの知能は、特定の知能だけが特権化される社会のことを意味していて、知識社会の仕事は以下に紹介する3つの働き方に大別することができます。
クリエイター
クリエイティブな仕事に携わる人のことで、作家、音楽家、俳優、歌手、スポーツ選手などがそれにあたります。
スペシャリスト
専門家のことで、その分野の知識や経験に特化した人達です。医師、弁護士、会計公認士などがそれにあたります。
マックジョブ
誰でもできる代替え可能な仕事を指します。マクドナルドの店員を代表にマニュアルに沿って動く労働者がそれにあたります。
「言語的知能」と「論理数学的知能」が発揮される仕事が「クリエイター」 と「スペシャリスト」です。
このクリエイターとスペシャリストは、クリエイティブクラスと呼ばれ高い所得を期待することができます。
マックジョブは代替えが可能なので、知識社会において圧倒的に不利になります。
以上のことから高度なテクノロジーに支えられた知識社会は、クリエイターとスペシャリストを目指すべきだということです。
まとめ
- 知ることは知識社会において大きな力になる
- お金持ちになる方程式を覚えて理解する
- 資産運用では常識が非常識になっている
- マイクロ法人を利用して支出が減らせる
- クリエイターやスペシャリストの職業は富を最大化させる
今回は、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」のポイントについて解説しました。
これを機会に手に取って読んでみるのもおすすめです。
また、違う本の要約がありましたらご紹介したいと思います。