これから社会で育つ新人ビジネスパーソンに向けて、2019年12月に発売された「これからの会社員の教科書」の内容についての要点を絞って解説して行きます。
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これからの会社員の教科書について
この本は、田端信太郎氏という人は、リクルート、ライブドア、LINE、ZOZOなど、日本の大企業から外資系のベンチャー企業に至るまで数多くの有名企業を渡り歩いてきた人物です。
田端信太郎さんの新書ということもあって、ネットでは大いに話題に上がっており、amazonでもベストセラー1位を獲得した書籍で、発売から増刷決定となった話題のビジネス書になります。
この本は以下のような悩みを抱えている人が読むと役に立つと思います。
- これから就職して、会社員として働く予定の人
- 社会人1年目で、働き方のコツを知りたい人
- 上司や先輩と、円滑に効率良く仕事をしたい人
- 仕事のことで、悩みを相談する人がいない人
これからの会社員の教科書は、これから会社という組織で働く人に役立つ一冊です。
結論から言うと、この本の重要ポイントは以下の五つに要約することができます。
- プロ意識を持った仕事
- 議事録を書けば出世できる
- 礼儀は自分の助けてくれる
- 怒られることを恐れない
- 新人時代で人生が決まる
これら5つのポイントを深掘りしていこうと思います。
1:プロ意識を持った仕事
プロと言うとどのようなイメージが持つでしょうか・・・
お客様に対して結果にコミットして、大きな成果を導き出すことができる。
確かにこれらはプロとして必要条件ではあるが、著書の中で大切な点として次のことを述べています。
「プロは勝負どころで決して休まない」ということ。
これは、プロを目指すのであれば、どんな状況であってもやらなければならないからです。
例えば、風邪を引いた時、風邪を引いたら周りに迷惑になるから休むのが普通ですが、プロであれば風邪であろうが電車の遅延であろうが、自然災害であろうがやらなければならない時があるのです。
本書の中では、3.11東日本大震災の時に、東京証券取引所は社会が大混乱を起こしている中、土日を挟んで月曜日には再開したと言われています。
余震が起きようが、原発事故で世の中が混乱していようが、証券会社の人たちは職場に出勤して仕事を全うしていたのです。
実は、会社員になった1年目に任される仕事には、単調な作業が多いと言われています。
しかし、この単調作業の中にこそ仕事の真髄があると本書の中では語られています。
単純作業というもの自体は、面白くないと思う人も多いですが率先して行っていくことで、発言の説得力や迫力などが変わってくると、田端氏は本で語っています。
つまり、現場での単純作業を通じて知識を獲得したりすることは、ものすごく大切なものであって【「きみが目の前でやっている今の仕事、そもそも何のためにやっていますか?」と問われたときに、即答出来ますか。】と著書の中で記しています。
これから、会社員になる上で「人並み」を目指すのか「プロ」を目指すのか・・・
会社組織の中で戦力になる会社員になるための考え方を示しています。
2:議事録を書けば出世できる
仕事のプロになるには、仕事に穴を開けずに最後までやり遂げることがプロとしての条件ですが、当然、プロになれば仕事の生産性も向上して出世することも出来るようになります。
では、どうしたら出世できるのか・・・
一般的に出世するには、実力もそうですが人間性も兼ね備えたような人のことをイメージするのではないでしょうか。
しかし、もっと単純かつ簡単に出世することが出来るやり方があると著者は言っています。
それが、会議などに参加した時の議事録を書くことです。
なぜ、会議の議事録を書くことが出世することに繋がるのでしょうか。
上司は、その議事録の内容を見て自分の部下が、仕事の内容をどの程度まで理解しているのかをチェックしています。
この時、情報が的確に整理されていれば、上司にアピールすることができます。
つまり、議事録の目的というのは「情報の圧縮」ですから、会議で1時間議論された内容を3分にまとめた場合、会議に出席しなかった人に、57分も時間を生み出したことになります。
これが10人に行き渡ることを考えたら、これは会社にとって大きな利益となります。
このことから書いて整理することは、ビジネスシーンにおいて強力な武器になることが分かります。
さらに「根回し」を抜きにして大きな成果を上げることはできないと著書では語られています。
本書では以下のように表現されています。
正しいことを実現したいなら、それなりの「段取り」が必要です。
( これからの会社員の教科書 p29 )
これは、私自身も会社員の新人時代に勘違いしていました。
「正しい意見は通るはず」という考えだけでは、うまく物事は進まない状況ということです。
例えば、会議で正論の意見が出たとしても最終的に判断を下すのは決裁者であり人であるということです。
この時に事前に「根回し」ができているか、参加者を無視した内容になっていないのか。
社内にいるおじさんたちのメンツというのは想像以上に強烈なものです。
こういう人の妬みや嫉妬を持つ人がいてこその会社ですから、あらかじめそういう人がいることを認識しておくと物事が進みやすくなります。
当然、顔色を窺ってすり寄った仕事をしようということではなく、事前に話しをしておくことで改善できるような問題は早めにつぶしておいた方が得策だということです。
3:礼儀は自分の身を助ける
著者は、本の中で社交性の一つとして「礼儀」の重要性を説いています。
その理由は「礼儀」は、自分自信をいざという時に守ってくれる保険になるからです。
本書ではラジオ番組に出演したときのことが記されていました。
ひとつのコーナーにベンチャー企業の社長が行うプレゼンコンテストの企画があって、CMの間に社長の方々がスタジオに入ってきていたそうです。
この時、著者である田端氏は、先にスタジオに入っているにも関わらず、すぐに田端氏の方から立ち上がり挨拶をしたそうです。
通常、スタジオに後から入ってきた人の方が、挨拶をするものですが著者は先手を打つかのように積極的に自ら挨拶をしたとのことです。
実は、こういうところでビジネスの社交が決まってしまったりするのです。
相手の立場で態度を変えて上か下かに関係なく、一人間として礼儀を振る舞うことで、その後の人間関係の関係性を決定するのです。
そして、礼儀がもたらした人間関係というのは、長期的な視点で見ても巡り巡って我が身に返ってきたりするものです。
このことから、礼儀がある人とない人とでは差がついてしまうのです。
本書では、以下のように表現されています。
相手と自分の立場がいつ入れ替わるかわからない。
( これからの会社員の教科書 p117 )
筆者が言いたいことはモラルがどうとかではなく、礼儀の正しさで自分が得をするということです。
終身雇用や年功序列のシステムが崩れた今の時代、必ずしも今の部下と自分の立場が入れ変わらないとは言い切れないからです。
もしかしたら、今、一緒に仕事をしている後輩が上司になるかもしれません。
そんな時に、恨みを持たれた状態では、生き残ることが困難になるはずです。
本書の中では、礼儀の正しさは時としてリスクヘッジとなるということを理解して「処世術」の一つとして使いましょうということです。
4:怒られることを恐れない
先程、説明した礼儀の反対に位置するもの言えば「無礼」です。
無礼と言えば、今の時代は、パワハラが思い浮かびますが、今の若い人はパワハラを意識しすぎて、怒られるような仕事へのチャレンジが少ないとも言われています。
しかし、これから社会で活躍する人にとって避けてはならないものがあって、それが怒られることだと言うのです。
その理由を著書は「怒られることで一体感が生まれる」と言う形で表現しています。
本書の中では、著者が「 R 25」というフリーマガジンを創刊した時の話としてエピソードを上げていました。
R25を配布するには多くのラックを確保しなければならなかったところで、当時代人気だったホットペッパーのラックを使わせてもらうために、当時、馬が合わないと思っていた、仲が悪いかったパートナーとホットペッパーの事業部長の元へ相談に行ったそうです。
事業部長の H さんはとても厳しい人で、けんもほろろに門前払いを食らったそうです。
同じ会社であるにも関わらずそこまでの仕打ちを受けて、凹むどころか反対に闘志に火がつき、著者と仲が悪かったパートナーは、その一件を機会にそれまで仲の悪かった二人が共闘して、一体感が生まれたそうです。
この経験から怒られるということはマイナスなものだけではなく、プラス効果を生むことだってあると言うことの事例が上げられています。
ここでの話は、怒られたことによって、普段、仲が良くないパートナーと上手く共闘を組むことが出来たということです。
仕事というのは、好きか嫌いかという以前に、第1でお話しした通り「プロである以上…」目的達成のためには、怒られようが、好きでない相手であっても協力体制を組むくらいの柔軟な発想を持っていこうということです。
怒られることを気にして、過剰に意識して仕事の目的を失ってしまってはプロとして失格である。
5:新人時代で人生が決まる
怒られるのは新人の特権でもありますが、実はこの新人時代での仕事が、その後の人生を大きく影響を与えるをご存知でしょうか。
著者は次のように述べています。
「新人時代に頑張ると20代後半で楽になる」
新人時代から正しい努力をしていると20代の後半には自分の土俵が見つかります。
この土俵が何なのかを見つけることが出来ずに一生を棒に振ってしまう人は、どんな会社にも数多く存在します。
会社内での土俵というのは、分かりやすく言えば自分が活躍できる場所です。
自分が活躍できる場所を見つけるには、とりわけ新卒で入って初めの2年が最も重要です。
この2年でいかに正しいやり方で努力できるかが、その後の数十年を決めてしまうのです。
注意したいことは、この自分に向いていない分野で努力しても成果が出ない状況や、自分自身で活躍できる土俵と感じなければ、すぐに方向転換することが重要です。
これらの、土俵は貴方自身が会社組織の中で、如何なる価値を生み出すことの出来る人間なのかを示してくれる重要な要素となりますので、遅くても30歳までには見つけましょう。
教訓とまとめ
「 #これからの会社員の教科書 」要点解説
こんな人におすすめ
・これから就職して、会社員として働く予定の人
・社会人1年目で、働き方のコツを知りたい人
・上司や先輩と、円滑に効率良く仕事をしたい人
・仕事のことで、悩みを相談する人がいない人#田端信太郎 https://t.co/UeS5RWTSFk— Koga Ken (@leaplab72) February 11, 2020
改めて重要なポイントを教訓化しておきましょう。
- プロ意識を持って仕事を始める
- 情報の圧縮が出世の近道になる
- 礼儀を活用すれば自分を助ける
- 怒られるくらいチャレンジする
- 20代の内に自分の土俵を作る
「これからの会社員の教科書」の要約をしてきましたが、本書には紹介しきれていない部分もまだまだ有益な情報が記載されているので読んで見ることをおすすめします。
以上で「これからの会社員の教科書の要約」を終わります。また、違う要約があればご紹介したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。