マーケティングって聞くと、小難しい感じのことのように感じる人も多くいます。今回は、何故、マーケティングが必要なのかという話をしたいと思います。
今回、参考にしている書籍は以下の書籍を読んで整理・要約した内容になります。
参考資料
ドリルを売るには穴を売れ
売れる会社のすごい仕組み
佐藤 義典氏
いづれも、マーケティングを勉強するには非常にためになる書籍でもありますので気になる方は読んでみても良いかもしれません。
個人的にはいくつかの中小企業などを見てきた感じでいうと「マーケティングについて考えたこともない」という人もいます。
確かに、マーケティングが必要ないという状態もあります。
しかし、商売の多くの目的は安定的に利益を得るためであることを考えると、ほぼ、全ての仕事と業種にマーケティングが何故、必要なのかを解説したいと思います。
マーケティングって簡単にいうと・・・
マーケティングで大切なのは、自分のところのサービスや商品をお客様が選んでくれた基準を知るということです。
これ単純に言い換えて、何故、自社のサービスや商品を選んでくれたのかと言うと・・・
「お客様にとって最も都合が良いところ」だったから。
一言で言うと、こうなります。
この都合が良いと言うところを科学的に分析して行こうと言うのがマーケティングになります。
世の中には、WEBマーケティングやコンテンツマーケティングなど様々なマーケティングの名称が数多くあります。
そして、市場リサーチ、商品の企画開発、店舗開発、価格設定、宣伝広告など、マーケティングと言われる仕事の中には多くの業務や仕事が含まれています。
しかし、どの仕事も最終的には「お客様のことを理解して高い価値を提供する」と言うことだけです。
先ほど、マーケティングが必要ない状態があると言いましたが、その状態と言うのは、放っておいてもお客さんがお店にきてくれる独占状態が成立してる状態です。
例えば、薬局が自分の街で一店舗しかなかったら、薬が欲しかったらその店に行くしかないと言う状況になります。
選択肢が一つしかなかったらマーケティングは不要になります。
反対に、マーケティングが必要になってくる状態と言うのは、選択肢が一つではなく複数ある時になります。
先程の薬局で言うと、薬局、ドラッグストア、ディスカウントショップ、最近ではコンビニなんかでも薬を販売しています。
このようにお客様の選択肢が多くなり、競合がいる場合にはマーケティングが必要になります。
ここで、重要なのは冒頭でも言った「お客様は最も都合の良いところ」を選択すると言うことです。
マーケティングで言う「差別化」と言うのはここで必要になってくる言葉になります。
差別化がない場合は、お客さんは「安いところ」か「近いところ」など違いがない中でも自分にとって「都合の良いところ」で購入することを選択します。
何気ない商店街の肉屋、魚屋、八百屋でも選んでもらえている以上、何かしらでお客様にとって都合が良い何かを満たしていることになります。
それは「品揃えが良い」「品質が良い」「接客が良い」「配達をしてくれる」「少しオマケしてくれる」など、人によって嬉しいと感じる要素は異なりますが、何かしらの満足を与えている可能性が高いはずです。
これら全ての要素を満たそうと言うことではなく、特定のお客様(ターゲット)の特定の期待(ニーズ)に対して、自社の特定の強み(差別化)を活かして優先的に選択してもらえるようにしようと言うのがマーケティングになります。
優先的に選んでもらうために自社の強みを知ろう
自社の強みというのは、お客さんがあなたの会社のサービスや商品を選んでくれた理由を適切に理解して武器として使えるようになると言うことです。
マーケティングが上手な会社(販促が上手い会社)は、強みを理解して武器として活用できているため、集客に困らないように仕事が出来ています。
マーケティングでいう強みと言うのは、「顧客の目的に対して、有効に働く価値を提供する」ということです。
- あらゆる商品やサービスで一貫した強みを表現・発信できる
- 一貫した強みにより受け取り手にブランディングが構築できる
- その強みを評価する顧客だけが来店して無駄なセールスが減る
- 強み=選ぶ理由が明確なため提案の質が高まり成約率や単価が上がる
- やることが明確(やらないことも明確)なため業務の無駄が無くなる
- 更に、強みを強化するための投資や専門性を高めることができる
多くの競合と比較したときに、差別化が出来ていると、より有利にお客様から選択してもらう可能性が高くなるわけです。
どうしても差別化って聞くと「難しそう」とか「自分のサービスや商品は差別化しにくい」と言うような感じに陥ってしまいますが、まずは、競合よりも「具体的に高い価値を提供」するということが大切です。
そもそも、よく誤解しがちなのが「差別化=競合と違うことをする」という形で認識している人もいます。
しかし、競合と違うことをしたとしても、それがお客様にとって価値を提供することに繋がっていなければ意味がありません。
反対に、同じようなことをしていたとしても、ちゃんと価値を提供できていれば、それは差別化されていると言えるのです。
マーケティングの3つの軸
ここで言っている価値というのは、お客様にとって、貴方のサービスや商品を選択する理由になるだけの価値であるかということです。
- 一番家から近いから
- 一番金額が安いから
- 一番カットが早いから
- 一番相談に乗ってくれるから
- いつも行っているから
- 有名なスタイリストがいるから
これらの理由のほかにも上げればいくつも出てくると思いますが、整理していくとお客様が選択する軸は大きく3つに分類されます。
- 手軽さとコストで勝負
- 新規客の獲得が最重要で低価格戦略で多くの顧客を狙う方針
- マスマーケティングによる大規模な広告宣伝
- 割引きクーポンなどの配布
- 商品の質や力で勝負
- 価格を下げて新規客を狙うよりも高単価を維持して既存客を狙う方針
- 基本的に割引きはしないスタンス
- 上質なブランドを意識した販促手法
- 顧客対応やサービスで勝負
- 一度顧客になったら、徹底的にニーズに応えて離さない方針
- 1対1を意識した個別の販促手法
- 割引券などのばら撒きはせずにオマケ戦略を取る
基本的にマーケティングの中では、どのような業態の仕事でも大きく分けると3つに分類されます。
更に、この3つの軸を業種で見比べていくと以下のような感じになります。
手軽軸 | 商品軸 | 密着軸 | |
アパレル | 安価な商品を 大量に販売する |
最新ファッション 高級ブランド |
オーダーメイド |
飲食 | 一般的な大衆的な店舗 | 接待や記念日で使う 料亭やレストラン |
好みを分かってくれている馴染みの店 |
コンサルティング | 即座に対応する 案件処理の早い |
高度な専門知識 |
雑多な相談に乗る |
これら手軽軸、商品軸、密着軸の項目は、同時に複数の軸を満たすことが出来ないので、どこに絞るのかと言うのを決めてビジネスを進めて行くことが大切です。
これら手軽軸、商品軸、密着軸3つの軸を「利益構造の違い」「顧客層の違い」「価値創造の違い」「扱う商品の違い」「選ぶ販路の違い」「集客方針の違い」「販促手法の違い」様々な違いを整理してビジネスモデルを比較していくと、差別化というのもある程度のパターンで把握することが出来るようになります。
手軽軸 | 商品軸 | 密着軸 | |
①利益構造 | 原価安い/薄利多売 | 開発費・導入費が高い | 対応力にコスト/高単価 |
②顧客層 | 一般層 | 特別なモノを好む革新層 | 自分専用を好むこだわり層 |
③価値創造 | より安く/より早く | 最高品質/最先端 | カスタマイズ/顧客理解 |
④扱う商品 | 普及する無難な商品 | 他にはない特別な商品 | 個別に合わせたカスタマイズ |
⑤選ぶ販路 | ネット販売/好立地 年中無休 |
敷居を高くして 供給を敢えて絞る |
直販・オーダーメイド |
⑥集客方針 | 新規顧客獲得を重視 | 新規を増やすより 既存を大事に |
既存顧客との付き合いを重視 |
⑦販促手法 | 大規模な宣伝広告 | 割り引きしない 上質なブランド意識 |
1対1の個別対応の意識 |
大切なのは、今、自社で行っているサービスや商品は、これらのどこの部分を推進しているのかを認識して進めることが出来ているのかということです。
どこが正解ということはなく、どこでも正解する可能性はあります。
失敗する場合は、これらの認識が行えておらず商品やサービスの方向性がブレてしまって、顧客が価値を感じないまま自社のサービスや製品を評価してしまうということです。
まとめ
- お客様が最も都合が良いとところとして自社を選択してもらう
- そのために自社の強みで差別化をしていくことが大切である
- 差別化は違うことをするのではなく「顧客に価値」を提供すること
- 提供する価値は「手軽」「商品」「密着」の3つの軸で考える
- 3つの軸を更に細かく7つに分類すると差別化がパターン化できる
これらの点を押さえれば、商売上の「強み」や「差別化」というのが行いやすくなるのではないでしょうか。
今回は、何故、マーケティングが必要なのかと、マーケティングに必要な3つの軸について解説しました。少しでも皆さんの良質な商品やサービスが多くの人に行き渡れば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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