4月から社会人1年目を迎える若いビジネスパーソンにお届けする情報活用法をご紹介します。社会人になると会議などの場でプレゼンテーションや仕事のプロジェクトが発足したりなど様々な仕事があります。あらゆるシュチュエーションで活用できる普遍的な情報活用法をお伝えします。
情報活用のメリットと3ステップ
情報収集が上手に出来ると以下のようなメリットがあります。
- 無駄な会議と無駄な資料が無くせる
- 入社した同期やライバルに一目置かれる
- 早い段階でチャンスが巡ってくる
- 仕事のイニシアティブが取れる
特に、企業に勤めて多く出てくるのが「無駄な会議」の多さだと思います。「何を決めようとしているのか分からない会議」「誰か偉い人だけが喋っているだけの会議」など時間のムダが多く発生する会議と言うのは、企業の中でけっこう頻繁に発生します。
そのような事態を回避するためにも、会議に向けた情報収集という視点で考えてもらうと良いかもしれません。
私は、企業で勤めていた時代には、営業職で年間2億円の営業利益を出しながら、企業へのコンテンツ販売のサポートなどをしていました。
勤めている会社内での会議と個人でしていたビジネスのための打ち合わせなど、比較的、会議の回数が多かったのもあったので、それらの実体験からお伝えするので参考にしてもらえると良いかもしれません。
まず、結論から言うと、情報を上手く活用するには、以下の3ステップが大切になります。これら3つのステップは、各それぞれで変わってきます。
- ステップ1「情報収集」
- ステップ2「情報解釈」
- ステップ3「情報発信」
この3ステップで仕事の価値が変わり、仕事で得られる成果や、取引先の相手や上司などに与える印象も変わってきます。
情報収集のポイント
各3つのステップをカンタンに解説していきましょう。
会議などで多く使う情報の中ではデータ収集があります。原価、売上げ、客単価、利益率、など集められる情報は多岐に渡りますが、情報収集のポイントは以下の2つになります。
- 情報収集はざっくり資料と詳細資料の2種用意
- 情報収集は軸の項目に何を入れるかが大切
まず、情報収集をする時にフォーマットを決めます。私は個人的に使うフォーマットは「2×2の4象限」か「L型マトリックス」のどちらかに決めます。
フォーマットを決めたら軸の項目を決めるわけですが、この軸の項目で情報収集の8割は仕事として終わります。
「2×2の4象限」は、以下のように、何かしらの4つのカテゴリーに分けて全体像を把握する時に使います。
「L型マトリックス」は、4つのカテゴリーの中の1つの項目をより掘り下げて、細かい資料として提示する時に使います。
例えば、市場成長率と市場占有率の両方が高い「商品A」と「商品D」に着目して、各それぞれの店舗ごとの売上げを比較すると仮定した時に、以下のような図解になります。
何故、2種類に資料を分けた方が良いのかと言うと、それは、会議などで議論がぶれないようにするためです。
仮に、最初の「2×2の4象限」の図解が無かった状態で、いきなり「L型マトリックス」の資料を出したとすると、議論の中に、商品B、E、F,Cなどの話題が上がってきたりします。
このムダを省くためには、まず、最初に「2×2の4象限」の表を基に、市場成長率と市場占有率の両方が高い「商品A」と「商品D」についての議論をしましょうと詰めておくのです。
その同意を得ることが出来たら、次の「L型マトリックス」を出して議論に入ることで、「商品A」と「商品D」に関しての議論に絞ることが出来て生産的な議論が成り立ちます。
2種の情報収集を行う上での重要な点は、軸の定義に何を入れるのかが大切です。ここの項目選びによっては、情報収集する内容も出来上がる資料も変わるからです。
情報というのは解釈と発信を踏まえて初めて価値を生みます。従って、情報を集めて資料を提出しただけで仕事をした気になりがちですが、それは大きな間違いです。
天気予報で言うと情報収集と言うのは、あくまでも天気図を出しただけに過ぎません。天気図を見ただけでは、情報を見る人によって様々な受け止め方をします。
情報解釈のポイント
情報収集を行った後は、ステップ2の情報解釈に入ります。情報解釈のポイントは以下の2つです。
- 資料の重要点に印をつける
- 印をつけた理由を述べる
この情報解釈というのは、情報収集で得る事が出来た情報から、あなた自身の解釈(問題意識や注目点)について印をつけて、そこから読み取れる推測を述べることです。
これは、先ほどの天気予報の話で言うと、実際に天気図をもとに「明日は、関東地方では雨が降ります」などの情報から予報という情報を付加してことになります。
すなわち、情報解釈というのは、情報収集したデータから見える「問題設定」や「解決課題」を提起するところにあります。
この情報解釈がない状態で、情報収集した資料だけを提出するビジネスパーソンは非常に多いです。
いわゆる資料を作っただけで仕事をしたと勘違いしてしまうケースです。この情報解釈に関しては、絶対的な答えはありません。
そのため、相手にどう受け止められるかは別にして積極的に、あなたなりの情報解釈を提示していくことが大切です。
情報発信のポイント
情報解釈からデータから見る問題意識などが、参加者に対して理解を得ることが出来たら、最終ステップの情報発信を行います。情報発信のポイントは以下の2つです。
- 会議参加者の行動提起を述べる
- 賛同者を募りプロジェクトを始動
この情報発信というのは、情報収集で得たデータから、あなたなりの情報解釈を踏まえて解決するべく課題が見えてきたら、問題解決の具体的な方針を提示することです。
情報収集というのは、この情報発信まで行うことで、付加価値を生むことが出来ると言えます。
先ほどの天気予報の話で言うと「明日は関東地方で雨が降るでしょう」「ただし、雨が降るのは夕方から夜にかけてなので、お出かけの際は、折り畳みの傘を持っていきましょう」というような具体的な情報を乗せて発信することが大切です。
会議の場では、○月に「商品A」と「商品D」の売上げが一番見込めるため、「この2つの商品に絞ってキャンペーンを打ちましょう。」などの提案を行うようなイメージです。
このように、情報収集から意図を持って具体的な提案まで行うことが出来たら、後は、その提案に対して参加者が賛同を示してくれればOKです。
そして、そこから「新たなキャンペーンのプロジェクトが発足」していくのです。あとは、キャンペーンのプロジェクトに向けた役割分担を決めて、次回、会議の設定までに進めておく課題を決めたら仕事は進みます。
まとめ
今回は、情報収集から情報解釈、情報発信という3つのステップについて解説しながら、ムダな会議を無くすための会議の進め方を伝えしました。
もし、これから新社会人として新しい職場で働くのであれば、以下の2点を抑えておくだけでも資料作りだけに埋没することなく実利が伴う情報収集が出来ると思います。
- だいたいが情報収集だけで止まっているケースが多い
- 情報を集めても数字ばかりで分かりにくいケースが多い
②の部分に関しては、あてもなく情報収集ばかりをした際に起きやすいケースです。一番の理想は、持っていきたい仕事の方向性が定まっている場合(今回の例で言えば、キャンペーンを実施したい)というゴールが設定されていたのであれば、そのゴールに向けた必要な情報収集が行えるのが最も理想的な情報収集です。
まずは、①の情報収集だけで仕事をした気になる勘違いだけは起こさないように注意しながら資料作りに励んでみては良いのではないでしゅうか。