「人材こそ企業の資産」と考える会社は数多く、優秀な人材を引っ張ってくるというのも良いが、人材育成の視点がなければ事業そのものが失敗に終わってしまうことも珍しいことではありません。今回は、次世代のリーダーを候補や会社のヒーローを育てる点についてまとめていきましょう。
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新人育成について
この間、こんな記事を見つけました。
東京ガスは新入社員の育成に関する情報を効率的に管理する仕組みを整えた。人事部と指導役の社員をつなぐ情報システムを構築し、新人が所属する部署の上長らとも共有。彼らの働きぶりや悩みなどをきめ細かく把握してサポートする。新入社員の職場への定着を促す狙いだ。
2019/12/10 日経産業新聞
正直、会社に入社したての新人が上長に対して、きめ細かく把握できるくらいの「本質的な悩み」を言うのかと言うと言わないと私は思います。私は、セールスを行う企業に勤めていた時の実体験から気を付けていた点やマニュアルを制作したことがあったのでまとめてみました。
まず大切なのは、新人育成にとって大切なのは「新人さんにとっての最初の1ヵ月を考えよう」というところです。
分かりやすく、新人の立場と会社の立場で整理してみると、
新人の立場から | 会社側の立場から |
|
|
思惑を整理するともっともっと項目は出てくると思いますが、各々の思惑なんかを整理すると、新人の立場は(個人)なのに対して、育成する会社の立場は(組織)になります。
この辺りのことを意識して、最初の1ヵ月で育成に重要な5つのポイントは以下になります。
- 即戦力としての実務スキルの保障
- 適材適所の見極めと活躍の場の保障
- 組織への協調性とルール遵守の姿勢
- 主体性と責任意識と打開力の装備
- 帰属意識と仲間意識の芽生え
5つのポイントにおける最終的な目的は、新人社員に対して「勉強し続ける意欲を持たせる」ことが出来れば良いと思います。これら5つのポイントについて詳しく解説していきましょう。
新人育成5つのポイント解説
即戦力としての実務スキルの保障
会社組織の各部署の構成や各階層の人数や行っている仕事を行うのは当然ですが、大切なのは、各部署などの「現状の課題」なども言うことが大切です。これは、しっかり新人に対しても情報開示を行うということです。
現状の課題などを情報開示することで、新人側としては「自分なら出来るのかどうか…」「こうしたら良いのに何故やらないのか…」など頭の中で考えていたりするものです。
新人は、自分の得意分野がないのかを探しています。様々な仕事を誰が、何をやっているのか、また、生産性が高いのか、低いのかを伝えることで、やってみたい仕事を聞き出していきましょう。
適材適所の見極めと活躍の場の保障
やってみたい仕事を聞き出したりして、新人の意見などを聞き取ることが出来たら、内容によっては、いきなり仕事を任してみても良いかもしれません。それくらい期待をしているという会社側のアピールにもなるでしょう。
この時に大事なのは、会社に勤めに来る新人は貴方の会社の新人であったとしても、既に人生で20年もしくはそれ以上は生きてきた大人です。社会人としての経験は浅くても、少なくとも培ってきたノウハウや経験はあるはずなので、活かして活躍する場を積極的に提供してあげましょう。
「この会社なら頑張れるかも…」と思ってもらうことが大切です。
組織への協調性とルール遵守の姿勢
たまに自信満々の新人などもいますが、会社組織としての協調性も重要です。いくらスキルがあっても、全体がマイナスになるスキルは不要です。
当然、社会人として社会のルールを守るのは当然ですが、会社というのは、いわば「村社会」であることを理解してもらいましょう。
既存の社員は言ってみれば村人で、新人は村に引っ越ししてきた人です。どれだけ、大手の会社になったとしても人間が何人かでコミュニティを形成した場合、必ずと言ってもいい位に「村ルール」があります。郷に入れば郷に従えという言葉もあるくらいですから、この辺りの村ルールもある場合は隠さずに教えてあげた方がいいでしょう。
主体性と責任意識と打開力の装備
様々な職場がありますが、基本的に日本の社会は「出る杭は打たれる」が基本です。もし仮に、新人が新人育成の段階で出る杭が打たれるようなことがあったら、まずは褒めてあげましょう。
「出る杭」があるだけでも「出す杭」すらないよりはマシだからです。ここで大切なのは、無責任に上司の批判や、職場批判をさせるのではなく「提案(どうしたら改善できる)」をしてもらうようにしましょう。
他人を批判したり、言い訳させてしまっていては、どんどん新人の居場所が無くなってしまいます。会社としては、その提案から会社にとってプラスに働くなら、その提案を受け入れるために新人担当者が上長と相談することが望ましいでしょう。
間違っても、その提案を「新人が言うことだから」と潰していては話になりませんし、そんな会社では新人は「村八分」にあう前に退職してしまうでしょう。
帰属意識と仲間意識の芽生え
昔の会社組織では、会社への愛社精神とか言われていましたが、基本的に帰属意識や愛社精神的なものは、会社側が求めるものではありません。
これらの帰属意識なんかは、入りたての新人に求めることは会社のエゴです。しかし、帰属意識が低ければ従業員は職場に自分の居場所がないと感じたり、自分の仕事への興味を失って、離職していくことにもつながる可能性があります。
いきなり、組織への忠誠心や帰属意識を持たせようとする行為はダメです。最初の段階は、新人同士でグループを組ませて、ミッションを与えてミッション遂行を通じて、仲間意識を芽生えさせることから始めましょう。
そうすることで、この会社で働く覚悟や仲間のために頑張ろうという献身性が生まれたりします。
まとめ
今回は、自分が新人育成に携わっていた時に意識していた5つのポイントを解説しました。
やはり新人を含めて大切なのは、自分よりも大きな人間、自分を超える人間に育てたいと考えて接することが重要です。
人を育てるのと、動物を育てるのとでは、ココが1番違います。
昔、人材育成で育成の仕方次第で「人財」にもなるし「人罪」にもなるという本を読んだことがあります。自分を超える人間を育てるためにはどうしたら良いのか・・・この視点で試行錯誤していけば、自ずと会社にとって「宝」となる人材育成をしていけるのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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