コロナ禍でリモートワークが浸透する中、ますますメールなどがコミュニケーション手段として重要視されている傾向があります。今回は、メールで、なかなか自分の意図が伝わらないと感じるビジネスバーソンに向けて、メールでコミュニケーションを図る基本の考え方と「伝わる書き方」などを解説します。
一般社団法人日本ビジネスメール協会が実施した調査によると、1日の平均メール送信数は12通で、1通当たりの作成に要する時間は5分程度かかっているというデータが発表されています。
https://businessmail.or.jp/research/2018-result/
このデータを参照にすると、社内や社外のチャットなども浸透してきているが、まだまだ、多くのビジネスパーソンは「1日1時間近く」の時間をメール作成に要していることになります。
今回の記事を読むことで、以下の6点のついての仕事効率がアップします。
- 「結論先出し」のメール作成が出来るようになる
- 「相手に期待する行動」を明確にしたメール作成が出来るようになる
- 「相手の感情を意識した」メールを作ることが出来るようになる
- 「わかりやすい文章」のメールを作ることが出来るようになる
- 「部下に上手く頼れる」頼り上手なメールが作れるようになる
- 「上司に好かれる」頼られ上手なメールが作れるようになる
それでは、解説をしていきましょう。
Contents
仕事がはかどる「メールの書き方」
文書構造は「結論先出し」で書くようにする
メールを読む側の人間も、忙しいビジネスパーソンです。そのため、メールを読む時間を極力減らしたいと考えているのは当然のことのはずです。
そこで、メールの構成は「結論先出し」がベストです。
相手がメールを開封した瞬間に、自分は何をすればよいのかがすぐに理解できるようなエ夫をします。
例えば、あいさつ文の後に「価格決裁のお願いです」「商品企画の相談です」「販促イベントの意見をください」などが、それに当たります。
こうすることで、読み手としては、相手の要求が明確になっているため、その後につづく文章を読むときに内容がスムーズにインプットされていきます。
文章を読みながら「どのような結論を出すか」を意識しながら文章を読むことが出来るため、相手の時間が短縮されます。
「相手に期待する行動」を明確にしてから送る
ビジネス上においてメールを送るということは、メールを送る相手に対して何かしらの行動を求めているからだと思います。
例えば、決裁のお願いであれば、相手からの承認を得たい。
報告に関するメールであれば、相手にこちらの状況を理解してもらいたい。
相談に関する内容であれば、今後の動き方についてのヒントが得たい。
等々、様々な目的があると思います。
まずは、メールを作成する前に、相手に期待する行動を明らかにしましょう。
そのためには、メールを作成する前の段階で、メールを読んだ相手がどのような行動を起こしたら「成果」になるのか行動提起までを意識していきましょう。
メールが持つ苦手な特性を理解する
メールというツールは、相手に早く文章が届くという点においては、非常に長けたツールですが、反対に「感情」を伝えることが難しい特性を備えていることを押さえておきましょう。
メールでは分からなかったけど「会って話したら誤解が解けた」という経験を持っている人も多いと思います。
コミュニケーションというのは、感情に当たる「情」と論理の「理」という2つの構成で成り立っています。
メールというツールは、この「情」と「理」という点の「情」の部分に関して非常に伝わりにくいのが一番の欠点です。
そのため、メールを送る相手への配慮を意識しましょう。
相手への配慮というのは、簡単に言えば、読み手の心理を意識することです。
相手はこのメールで、どのような気持ちになるのか。
どういう表現や言葉を使えば理解しやすいのかを考えることが大切です。
例えば、何でもメールで伝えようとすると、電話と対面の対話に慣れている経験豊富な年配社員は「けしからん!」と感じてしまうものです。
SNSや短い文章に慣れた若手社員に向けて、難しい言葉や言い回しばかりを使った長文を送れば見る気がなくなります。
相手への配慮と気遣いをしたメールを送ることで、メールが苦手とする「情」に関してのカバーをすることが出来るでしょう。
文章は「主語と述語を明らかに」する
文章の内容については「5W2H」を意識し、主語と述語を明らかにして記術
することが大切です。
5W2Hというは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、How(どうする)、Why(なぜ)、How Much/How Many(いくら、いくつ)です。
この5W2Hを意識すると、メールの内容から抽象的な表現が無くなり具体的な表現のメールが出来上がります。
そして、そのようなメールが完成したら、最後に声に出して読み返してみてください。
読み返すことで「てにをは」の間違いや、文章の違和感に気づくことが出来るので特におすすめです。
「頼り上手」になって、仕事の生産性を上げる
仕事効率を上げるメール作成について分かってきたところで、メールを配信した相手に対して、上手く仕事が依頼する必要があります。
例えば、上司に向けた企画書作成の仕事と、重要顧客へのプレゼン資料の作成が重なったとします。この時、人に頼るのが下手な人は、どちらの仕事も抱え込んでしまって、両方の仕事のパフォーマンスを下げてしまいます。
しかし、ここであえて、部下などに重要顧客の対応を頼んでみてはいかがでしょう。「人って言うのは誰かに頼られると、うれしいものです。」
年上、年下問わず、「頼られる=認められている」につなって、部下の自己効力感(自分なら上手く出来るという自信)をつけることができます。
また、反対に、部下の立場の人なら、頼られ上手になることで多くのメリット(かわいがられる)があります。上司と言うのは、自分を頼ってきてくれる部下がかわいいものなのです。
上司が報連相(ほうれんそう)をちゃんとしろと、口うるさく言うのは、心理的な観点でいうと「頼られたいから」といえます。
上手く、報連相を活用することで、評価が上がり上司との関係が良好になり、仕事がしやすくなることもあります。
また、上司との縦の関係だけでなく、頼った別部署の同僚との横のコミュニケーションも生まれるので、視野も広がったりします。
これらの頼る、頼られるの関係性を築くためには、まず、こちらが相手を信用する必要があります。その結果、失敗(思ったような成果に至らない)こともあるかもしれません。
その時は、信用した相手と一緒に失敗を克服するようにしていくことで、また次に信用して相手に頼る頼られる関係性が築けるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、仕事がはかどる「メールの書き方」と「頼り上手な仕事のやり方」についてお伝えしました。
最後の頼る頼られるの関係性作りというのは、私も、会社員時代の時には苦労しました。正直、自分自身は全部自分でした方が楽だと思って、仕事を抱える習性がありました。
しかし、「この仕事は自分でなければならない仕事だけに集中しよう」と考えたときに、自分じゃなくても良い仕事に関しては、仲間や部下に任せるという仕事の仕方を覚えてからは、生産性が大きく上がりました。
1人で行える仕事の生産性を今の2倍にする程度なら、体を酷使して自分で行えば良いだけの話ですが、仕事の生産性をそれこそ10倍20倍へと変える時には、個人の頑張りでは到底無理なのです。
私、個人的には、メールの返信についても「1通1通なんて返信しよう・・・」という具合に、返信に悩む時間がとても勿体無いと感じています。
それこそ、取捨選択をして返信しないメールには返信しないようにするとか、時間を決めて脳が一番活発な午前中の時間には返信せずに昼の14時くらいに返信するなどの工夫をしてもいいと思っています。
この間、読んだ「がんばらない働き方」という本を立ち読みしましたが、そんな感じのことが書いてありました。
今回の解説が、今の仕事の生産性を10倍にアップさせようと思ったときに、「メールの作成の仕方」と「頼り、頼られ上手」として少しでもヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。