個人で副業を始めるにしても、会社で新規事業などの立ち上げに携わるなど、ビジネスアイデアを考えたりする時には、新しいサービスなどを考えたりするものです。そんな新しいビジネスを考えたりする時に活用できる思考法を解説します。
今回の内容は以下のような人にとって有益な情報です。
Contents
ビジネス思考力を高める4つの視点
それでは早速、はじめていきましょう。
そもそもビジネスを考えるというのは、どういうことなのか・・・
常に世の中というのは誰かの「困りごと」で溢れ返っていたりするものです。
それらを解決する手段として商品・サ ービスを提供して対価として報酬をいただく・・・これがビジネスの基本です。
ビジネスアイデアを考えるというのは「人の役に立つ方法を考える」ということであり、顧客の課題解決を考えるということです。
そのため「誰の」「どんな課題(悩みや望み)」を「どうやって解決するのか」ということを意識的に考えることが重要です。
既存のビジネスにヒントがある
誰がどんな課題を抱えていて、それをどのように解決するかを考えるというのは、言葉でいうのは簡単ですが、いきなり考えるのは難しいものです。
アイデア出しに詰まった場合、まずは、世の中にどんなビジネスが存在しているのかを意識的に見ることが重要です。
基本的には、既存のビジネスにヒントがある場合が多いです。
例えば、家事をする余裕もなく困っている人に向けては「家事代行サービス」がありますし、左利き向けの商品を手に入れるのに苦労している人には「左利きアイテムの専門店」などがあります。
「誰の」「どんな課題」を「どのように解決するのか」というフィルターを通して、日常を捉え直すことで、人の悩みや望みに対する感度が上がって、ビジネスアイデアの発想がしやすくなります。
本質的に欲しているものを見る
誰の課題を解決するかを考えるためには、人をよく知ることが大切です。
そのために は、よく「見る」必要があります。
言葉や行動の背景に目を向け、目に見えない部分を想像するための観察力を高めていきましょう。
観察することで、本人ですら気が付いていないような課題が見つかり、大きなビジネスチャンスに広がることもあります。
以前、マクドナルドの業績が悪かった時に「どういう商品ならマクドナルドに来店したくなるか?」というアンケートを実施したところ「サラダ的なものがあれば・・・」という意見がありました。
この意見を参考に、野菜を使ったヘルシーな『サラダマック』を作った結果、全然売れずに終了してしまいました。
「ヘルシーなものがないからマクドナルドに行かない」という不満に対して『サラダマック』というメニューを作ったけれども、その後に発売された、ヘルシーとは真反対の『メガマック』はヒットしました。
これらのことから実は、「ハンバーガーをガッツリ食べたくて、マクドナルドに行っているのに、そういうメニューがない」という不満が消費者には隠れていたことが顕在化され、アンケートから得た表面的な情報ではなく、そこから見えるユーザーでさえ見えていなかった深層的なニーズを見事引き出しヒット商品を生み出したのです。
ビジネスアイデアを具現化する
顧客の持つ課題を考えることができたら、その課題の解決策を世に出すための方法を考えます。
その際に必要な視点は多数ありますが、ビジネスモデル、マーケティング、戦略といったキーワードは特に押さえておきたいものです。
ビジネスモデルというのは、ビジネスの骨組みのようなもので前項で述べた本質的な課題の解決に向けてのスキームのことを言います。
マーケティングに関しては、そのビジネスの枠組みの認知を広めるための活動のことを言い、戦略というのは、それらのマーケティングを実施する上での細かい行動方針のことを指します。
重要なことは、ビジジネスとして成り立たせるためには、継続して収益を得られる仕組みをつくらなければなりません。
顧客に知ってもらうための手段は不可欠ですし、競合他社がひしめく中で自社の優位性も発揮しなければなりません。
何のための事業なのかを言語化をする
商品・サービスを市場に送り出し、ビジネスを展開していくうえで大切にしたいのが、 「ミッション・ビジョン・バリュー」です。
ミッションとは「何のために事業を行うのか」 という存在意義や存在目的です。
ビジョンは「どんな未来を目指しているのか」という理想像で、バリューはミッションとビジョンを実現するために組織として大切にする価値観 や行動指針を表します。
ビジネスは単に利益だけを追求していればよいわけではありません。
特に、組織として会社でビジネスを展開する場合においては、 事業を運営するメンバーにとっても社会にとってどのような意義があるかなどは重要です。
例えば「ダンス教室を開いて関東 No.1を目指す」という事業者と「ダンス教育を通して世界に通用する人を育てる」という事業者とでは、共感を生む人の層が変わってきます。
何のために事業を展開するのかを深掘りして言語化(言葉にして他人に説明)することは、顧客に商品・サービス・ビジョンについて正しく知ってもらうことはもちろん、パートナーや従業員と認識を共有するためにも大切です。
価値提案思考で提供する価値について考える
「価値提案思考」とは、商品・サービスで提供する価値に焦点を当てて掘り下げる思考法です。
価値を考えるとは、人の役に立つ方法を考えるということであり、人の喜びを増やす方法、または痛みを減らす方法を探究する思考ともいえます。
ここで重要な問いは「私(の商品・サービ ス)は誰のどんな役に立ちたいのか?)」という問いであり、これはビジネスについて考える核となります。
自分たちが提供している商品・サービス、あるいはこれからつくろうとしているものは、誰を幸せにできるのかを改めて考えてみましょう。
後述するビジネスモデル思考では、ここで考える価値を持続的に提供し続けるための視点が加わっています。
また、実際に商品・サービスを検討する際に使える、顧客の悩みから考えるニーズ思考自社の強みから考えるシーズ思考も後述します。
提供物について考える
提供している商品・サービス、もしくはこれから提供しようとしている商品・サービスのアイデアから思考の対象を選びます。
そして、それが持っている機能や特徴を書き出します。
左ページの例の場合、「ビジネスフレームワークの紹介」が機能、「テンプレートつき」が特徴です。
顧客について考える
商品・サービスを届けたい相手を明確にします。
顧客は誰か、そ ちはどんな課題を抱えているのかを考えます。
課題について考える際の切り口は、顧客が「何を望んでいるか」「何に困っているか」の2つです。
例では「思考をまとめられ ないとに悩んでいるビジネスパー・ソン」を価値提案の対象としています。
価値を考える
商品・サービスをして客に届ける価値を考えます。
考えるべきポイ ントは、2で考えた顧客が持つの です。
後で書き出した商品・サービスの機能や 特徴によって顧客にもたらされる変化があるはずです。
この変化を生み出すものが価値といえます。
例の場合は、「鋭い思考でバンバン企画を通せるようになる」などの変化を生 み出すための「アイデアをまとめて企画提案できるようになるサポートツール」が価値となります。
商品・サービスのあり方を考える
提供する価値について考えたうえで、商品・サービ スはどうあるべきか、最適な形や内容を考えます。
例でいえば、企画提案できるようにな るという性質を価値と考えるなら、企画書のテンプレートや記入例を付加価値として加えるべきだという具合に思考を展開することができます。
提供する価値について考える際、その商品や サービスの体験の前後での違いに着目することが重要です。
今回は、「価値提案思考」の解説ということでビジネス思考を高めるための思考法をお伝えしました。最後までお読みいただきありがとうございました。
■これからプロデューサ的な仕事を目指している人
■何か新しい商品やサービスを考えている人
■自分のビジネスにどんな価値があるか考えている人