安倍首相は2019年9月11日、第4次安倍再改造内閣を発足し、菅義偉官房長官が閣僚名簿を発表しました。今回は、いまさら聞けない「内閣」とはというテーマについて解説したいと思います
そもそも内閣とは何か?
安倍首相は『安定と挑戦の強力な布陣を敷きたい』と言っていまして、おそらく今回が安倍首相にとって最後の組閣になるのではないのかと言われています。
従って、安倍首相に近い各閣僚未経験の議員は、必死にアピールをした人もいるでしょうが、そもそも、この内閣改造って何なのか。
なぜ、内閣の顔ぶれが変わるのか?そう思っている人も多いと思うんですが、大臣っていうのはどんな種類があって、内閣改造を行う目的はどこにあったりするのでしょか。
内閣改造について意外と知らない部分を簡単に解説したいと思います。まず、日本は三権分立によって「司法」「立法」「行政」の三つの権力に分かれています。
この内の「行政」を司る機関として、国の法律に基づいて政策を実行する機関が「内閣」にあたるわけです。
この内閣のトップが「内閣総理大臣」になります。誰がこの内閣総理大臣を選出するのかと言うと、国会の中での多数決で決まります。
つまり、当然、過半数を取っている政権与党のリーダーが総理大臣になるわけですから、今は、自民党総裁の安倍さんが総理大臣になっているわけです。
そして、任命された総理大臣が十数人の国務大臣を選ぶわけです。たまに勘違いされる方もいるのですが、この「国務大臣」というのは特定の大臣のことではなく大臣の総称のことを国務大臣と呼びます。
そのため、財務大臣も外務大臣もみんな国務大臣ということになります。ただ、大臣の中にもいくつかの種類がありまして、特に他の国務大臣とは一線を画すのが「内閣官房長官」です。
この官房長官というのは、内閣官房のリーダーにあたる立場で、総理大臣に最も近い存在とか総理の右腕・女房役のように言われるわけです。
現在の官房長官は、この人、菅官房長官ですね。毎日、定例記者会見を行っていますので、ニュースなどではよく見ますよね。
次に、日本の省庁のトップとしての大臣が13人いて、この大臣たちは省庁のトップですから、議員としての当選回数が多い議員や、政権与党の中でも10人と言われる人たちが名を連ねることが多いわけです。
そして、大臣の中には、特定政策のための「内閣府特命大臣」という枠組みもありまして、例えば、マイナンバー担当大臣とか少子化対策担当大臣とかですね。
その時だけ進めている政策を担当するような大臣です。この特命大臣だけを担当する大臣は省庁を管轄するわけではありませんので比較的経験の浅い議員を論功行賞と言って指名して派閥内の褒美的な位置づけで選ばれることもあるのです。
少し前に「失言」をして辞任したオリンピックパラリンピックの大臣の人なんかは、この枠組みにあたるのかもしれません。
ただこの内閣府特命大臣の種類っていうのは、とても多くありまして、一人一人大臣を選んでいたら大変な人数の閣僚を選ばなくてはいけなくなります。そこで、これらの担当を財務大臣とか総務大臣なんかの重要閣僚が、みんなで兼務するっていうのが一般的なんです。
何故、内閣改造するの?
このような形で内閣っていうのは組織されて、現在の内閣は、総理大臣官房長官各省庁のトップ大臣13名が特命大臣を担当している5名の合計20名の布陣を敷いています。
この内閣の閣僚等が閣議(政府の意思決定を行う会議)を行ったり、政策の実行や予算案を作成したりして、日本という国をコントロールしているわけです。
では、なぜ内閣改造ってするのでしょうか。
これは、雑な言いかた方をすると「気分転換」と言えるでしょう。
かなり雑な言い方で語弊もあるかもしれませんが、総理大臣が気分でそろそろ変えようと思ったら、変更することができるのが内閣なのです。
実際は、それによってメディアに取り上げられて、国民の政治に関する興味を高めたり、支持率が上がったりする効果を狙ったり、総理大臣の求心力を上げるという効果があります。
また、これは是非はともかくとして自民党の中の派閥があるのですが、長期政権になると特にベテラン議員が入閣しないと派閥の長が不満を持つわけです。
そういった不満が募ると、例え総理大臣でも党内で思ったように動きにくくなってしまうわけです。そこで、そういった党内の反感を解消するために定期的に内閣改造を行って、大臣の順番待ちをしているベテラン議員を入閣させることで不満要素を解消させる目的なんかもあります。
しかし、そうは言ってもコロコロと内閣を変えられては政策が前に進みませんし、国民からの信頼も失ってしまいますよね。そのため内閣改造というのは政権にとって非常に重要であるとともに慎重に行わなくてはいけないわけです。
前回の内閣は、昨年10月に発足したわけですが、悪く言う人は「在庫一掃セール内閣」とか呼んでいましたよね。つまり論功行賞の色合いが強く、派閥人事の典型とも言われていましたが、現在も、未だに入閣待機組が70人近くいると言われています。
当選回数が何回だからとか、何々派の議員だからという選び方ではなく、現職の大臣でもしっかりと仕事をしている大臣は当然変える必要はありませんし、これまでの経験と実績を見極めて実力主義の適材適所で任命してほしいというのが私の感想ですね。
今回は、第四次安倍内閣の発足ということで、内閣というテーマで解説をしましたが、新しい内閣の動きを注目していきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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