11月13日に「ヤフー(Yahoo!)とLINEが経営統合する」というニュースを日経新聞が報じました。現時点では、経営統合に向けた交渉に入っているということですが、もし、本当に経営統合が行われた場合、どんな効果が見込めるのかを解説して行きたいと思います。
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YahooとLINEの経営統合の構図
日経新聞が報じた内容は以下の通りです。
検索サービス「ヤフー」を展開するZホールディングス(HD)とLINEが経営統合に向けて最終調整に入った。LINEの対話アプリの利用者は約8千万人で、ヤフーのサービスは5千万人に上る。金融、小売りも手がける1億人規模のサービス基盤が誕生し、国内ネット産業の勢力図が大きく変わる。アジアを舞台に米国や中国のメガプラットフォーマーに対抗する。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52139820T11C19A1I00000/
日本経済新聞 2019/11/13
まだ、11月14日の時点ということで、公式アナウンスされているわけではないのですが、この話は比較的、信憑性は高いと思います。現在の経営統合の図式は以下のような構図で進められるのではと言われています。
大元にソフトバンクとネイバーという会社があります。ソフトバンクは、もう誰もが知っている日本の企業です。
ネイバーに関しては、韓国の会社でLINE の親会社になります。この双方が50%ずつ株式を持った新会社を作って、その新会社の持株会社の下に yahoo と LINEが入っていくという感じの構想を検討しているとのことです。
この、双方の企業について、もう少し噛み砕いていくと LINE というのは、韓国の会社が親会社になっています。この辺りは、日本の人の中で知らない人も結構多かったりもしますが、事実、韓国資本の会社なのです。
一方、yahooに関しては、携帯電話キャリアで有名なソフトバンクが大株主ということになり、ご存知の通り日本の会社になります。
これが、経営統合ということになると、まず、分かりやすく言うと「LINE」という会社これがソフトバンクの持ち物になるということになります。
実際には、共同の持ち物のような感じになるのですが ネイバー(NAVER) とソフトバンク(Softbank)が半分づつ株を持って運用していきましょうという感じになります。
同時に、ネイバーサイドからすると、どういうメリットがあるのかと言うと、日本屈指のサイトであるYahooがネーバーの所有になるということになります。
LINEというコミュニケーションサービスと、Yahooという巨大サイトの二つの会社をソフトバンクとネーバーが共同で持ちましょうという感じの構図になっていくわけです。
これだけ大きな経営統合の話を誰がどういう風に動いてるかって言うと、やはりソフトバンクの孫正義社長が精力的に動いているのではないかと思われます。
孫さんに関しては、先日、ソフトバンクの決算発表で真っ赤の大赤字ということで、注目されていましたが、今回の話を聞いて「やっぱり上手い」と思いましたね。
ソフトバンクG孫正義会長「決算の発表内容はぼろぼろ。真っ赤っかの大赤字。四半期でこれだけの赤字を出したのは創業以来」「私の投資判断がまずかったと大いに反省している」https://t.co/XqDYdhBRgu
— 産経ニュース (@Sankei_news) November 6, 2019
この時に、赤字を出して間もなく今回の経営統合の話ですから驚きですよね。では、今後、YahooとLINEの経営統合が行われるとソフトバンクにとってどのようなメリットがあるのか3つの視点から整理していこうと思います。
ソフトバンク3つのメリット
メリット①:PayPay決済の覇権統一
今回YahooとLINE統合することによって、何が起こるのかと考えたら、やはりペイ系サービスがポイントになってくるのではないかと思います。
現在、日本のペイ系で最も指示されてる所はどこなのかと調べると、以下のような感じになっています。
出典:「Marketing Research Camp(マーケティング・リサーチ・キャンプ)」
これらののキャッシュレス決済の調査って、結構、調査の仕方などによっては、シェア率なんかにばらつきはあるのですが、この資料を基に言うとペイペイとLINEペイがかなりのシェアを占めている感じがしますよね。
そのあとを追って、楽天ペイなんかが使われていて、その他のペイ系決済サービスが少数の議席を押さえてるって感じの構図になります。
ここでソフトバンク傘下のpaypayとネイバー参加のLINEパイが一緒になると、圧倒的なシェア率を押さえて「PayPay+LINEペイ」の「新PAY」が圧倒的な覇権を取るのは誰がみてもわかりますよね。
こうなってくると、そのあとに楽天が来て、その他の決済企業は、ソフトバンク系の新ペイか楽天系か、またはその他の連合が立ち上げるのか・・・こんな感じの構図になってくると思います。
さらに、 LINEというコミュニケーションサービスって言うのは、au・docomo・SoftBankの3大キャリア全てで使われているサービスになります。特に日本ではコミュニケーションツールでLINEと言うのは圧倒的に認知されていて、皆がLINEを使っています。
こうなってくると、au・docomoからすると結構、厳しい立場になってしまうわけです。
LINEそのものをソフトバンクの所有にもなってしまうということは、auやDoCoMoのユーザーの人たちも LINEサービスを使っているんで、結果的にソフトバンクのサービスをauもDoCoMoユーザー使うことになります。
この、全てのキャリア網からLINEの方に流れてLINEPay決済を使って動きを作っていくことも可能性として考えられることになります。
そういう意味では、今回、LINEというau・DoCoMoも使っているサービスをソフトバンクが手中に収めるっていうのは、通信業界から見てもインパクトある話題だと思います。
メリット②:YahooとLINEの相乗効果
2つ目のメリットとしては、やはり、YahooとLINEがくっ付くということは、巨大なITインフラができると言う点が容易に想像できますよね。
例えば、yahooのサービスだけでも色々あって「知る」「楽しむ」「集まる」「買う」という感じで色々なサービスが展開されています。Yahooニュースなんかは、日本で多くの人が注目しているニュースサイトですよね。
Yahooは映画の配信なんかもやっていて、GyaoとかもYahooが扱っているサービスになりますし、最近で言えばショッピンでZOZOを買収しましたよね。
こんな感じで、Yahooそのものだけでも非常に大きなインフラ系サービスとして日本に定着しているのですが、唯一、Yahooが苦手としている分野のサービスがあるのです。
それが、コミュニケーション系のプラットフォームになります。
これまでにYahooは、メッセージングサービスのSNSなんかは、うまくいってなかったので、ここに来てLINEを手に入れることによってYahooが持っていなかったコミュニケーション系のサービスを手に入れることになります。
そして そのLINE自体も、色々なものを持っています。
LINEニュース・音楽配信サービスに続いて、最近では転職・求人系のサービスなんかもやっていたりします。これらLINEが既に持っているインフラサービスを経営統合することができると、検索も強いし、通販も強いし、コンテンツ配信できて、コミュニケーショのLINEを持っているという巨大なインフラが出来ることになります。
元々の携帯会社の通信系LINE モバイルなんかもソフトバンクのサービスも使えて、色々なことが出来そうなので非常に期待が持てるのではないでしょうか。
ひょっとしたら、GAFAと呼ばれるGoogle・Apple・Facebook・Amazonこういう会社とも戦えるくらいの大きな IT 企業が生まれるのではないかという期待も出てきますよね。
メリット③:グローバル投資の戦略強化
3つ目のメリットとしては、知らない人もいますが、ソフトバンクという会社は、今や投資会社としてみている人も多くいます。
利益の多くは投資で得ているとされていて、色んな会社に投資をしています。最近だとウィーワーク(WeWork)というところに投資をしたことが失敗したとニュースでも言われていましたよね。
これら投資の領域がLINEを手にすることによって、さらに拡大していきます。投資先との相乗効果の幅が広がっていくと思われます。
LINEという企業は、日本でたくさん使われていますが、タイ・台湾・インドネシアなどでも多くの人たちに使われているサービスです。反対に、世界的に見るとLINEというサービスは日本では多くの人に使われていますが、世界で見るとあまり認知されていません。
ソフトバンクからしたら、LINEを手に入れるということは、日本だけでなくタイや台湾での覇権を握ってビジネスを展開していくのに非常にLINEは良いツールだということです。
LINEのシェアがあるのであれば、いづれは暗号通貨などを使った、決済サービスの展開も考えていると思います。今の時代、日本だけに限らず各国でナンバーワンシェアを取らないと生き残れない感じになっていて、タイと台湾を見据えた決済ビジネスも考えているのではないでしょうか。
個人的には、Facebookがリブラなどの独自の暗号通貨の発行を目指して動いていますが、孫さんとかもLINEのコミュニケーションツールを使った、ソフトバンクも暗号通貨の発行を目指して独自の経済圏的なものを頭の中では考えているのかと思ってしまいます。
孫さんと言うのは、既に持っている自分の手札を上手く活用して、新しいサービスや事業を展開する展開力と言うのは天才的なものをいつも感じさせられます。
今後、LINEという駒を孫さんが手に入れたことで、無数にあるソフトバンクの投資先と LINE とYahooが上手く関わりながら様々なサービスが生まれてきそうな予感がします。
まとめ
今回の話をまとめると、まずは、今、日本で行われているキャッシュレスのQRコード決済のPay陣取り合戦はSoftbankの勝利になりそうだということ。
孫さんって色々なことをしていてリスクも取っている方で勝負師でもあるので、評価も人によって変わりますが、私は個人的にも本当に凄い人だと思います。
ソフトバンクが投資をしている投資先って、これからのベンチャー企業の中でも、比較的に成功しやすい所が多いみたいです。何故かというと、多くの投資家は競馬のレースで例えるとスタートした時点の馬に賭けますが、ソフトバンクの投資手法って言うのは、第4コーナーを曲がって一直線の勝負のところの馬に賭けるために失敗しにくいと言われています。
また、一度、ソフトバンクの投資先をまとめた記事もありますので見てみて下さい。
今、まさにビジネスの世界では地殻変動を起こしていて、本当に激動の時代って感じがします。ビジネスの環境変化ってどんどん変わっていて、一年経つと業界の地図が全然変わっていたりしますよね。
そういう意味では、この時代や変化の波っていうのを楽しめるかどうかって、凄く大切な感じがしますよね。私自身も、そういう変化そのものを楽しめ人間でありたいと思っております。
変化の楽しめる人間になれるように頑張って情報発信をして行こうと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。
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