お金には、「他のものに交換できる」 という機能以外に「価値の尺度」 と「価値を貯蔵できる」という、全部で3つの機能があります。この3つの機能を意識することで、生活のなかでさらに快適に、賢くお金を使っていくことができるようになります。 今回は、そんなお金の3つの機能に付いて解説していきます。
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お金の3つの機能
お金には、大きく3つの機能があります。各それぞれのお金の役割を知ることで、お金に振り回されずに、お金の本質を知ってより豊かな生活を送ることができるようになります。
①物やサービスと交換する手段としての機能
物々交換を行っていた時代より、貨幣というお金ができてからの時代のほうが、明らかにものの交換が便利になっています。
日本中、世界中のどこのお店でも、決められた金額のお金を出すことですぐに欲しいものが手に入ります。
かつては「お金」というものが存在せず、魚や肉と物々交換されていました。
しかし、それでは自分が何かを欲しいと思ったときに、自分が持っているものを相手も欲しいと思ってくれないと手に入れることができません。
でも、お金を使えば、決められた金額のお金を出すことで、すぐに欲しいものが手に入ります。
それが海外であっても、日本円を米ドルなどの現地通貨に交換して持っていくことで、不自由なく欲しいものやサービスを手に入れることができます。
お金という「数値データ」をやりとりすることで、物々交換はもちろん、実際の現金をやりとりしなくても買い物をすることができます。
②価値をはかる尺度としての機能
100円で売られているものと、1万円で売られているものとでは、1万円のほうがおそらく価値の高いものであるとわかります。
その「モノ」の価値を「お金」という公平な基準で計ることができるということです。
尺度としてのお金の役割は、以下の3つです。
1:「ものやサービスの価値をはかる尺度」
例えば、コンビニでは、コーヒーを1杯100円で購入することができます。
しかし、同じコーヒー1杯でも、スターバックスなら350円です。
どちらの価値が高いか、お金を基準として比べることができるということです。
2:「通貨の価値をはかる尺度」
世界を見渡すと日本円もあれば、米ドル、ユーロ、中国元など様々な通貨が流通しています。
海外で買い物をしたり、ものを輸出入したりするときには、これらの通貨同士の価値を比べ交換する必要が出てきます。
この場合、ほとんどの人は自国の通貨を基準として価値をはかっています。
日本に住んでいる私たちは日本円を基準に考えるので、
通常、「1米ドルは何円?」「1ユーロは何円?」という具合に通貨の価値をはかります。
反対に、普段米ドルを日頃使っている国に住んでいる人々は、
「1円は何ドル?」「1ユーロは何ドル?」という思考で通貨の価値を見ているはずです。
3:「社会的な価値や評価をはかる尺度」
ものやサービスの価値をはかる場合でも、高いもの=良いものであると推測できるように、人についても、年収が高い人=仕事のスキルの高い人、社会から必要とされて求められている人ということがわかります。
年俸が高いプロスポーツ選手ほど、能力が高い選手、年俸に見合うだけの価値を提供できる選手であることは一目瞭然で「権利」の社会的価値もお金ではかることができます。
不動産の所有権や借地権、地上権がその代表的な例といえます。
JR東日本は、東京駅の復元工事にかかった約500億円の費用を、使われなかった建物の容積率、いわゆる「空中権」を売ることで調達しています。
近年では、二酸化炭素の排出権もお金で売買されるなど、お金の「価値をはかる尺度」としての機能はますますその範囲を広げつつあります。
③価値を貯蔵しておくための機能
いますぐ使う必要がなければ貯蓄としてお金を貯めておくことができます。
必要になればいつでもそのお金を使ってものやサービスに替えられることが、お金を持っていることの安心感につながっています。
つまり、お金をたくさん持っていることで、お金を持っていないことによる将来の不安から解放されます。
「お金」というものが存在しなかった時代には魚や肉が物々交換されて生活が成り立っていましたが、それでは価値を保存することができず、そのときに使わないと価値がなくなってしまうという問題がありました。
そこで発明されたのが「お金」という腐ることのないツールです。
お金であれば、持ち運ぶにもかさばらないし、すぐに使わないなら貯めておいて、自分の好きなタイミングで物やサービスと交換することができます。
今あるお金で買えない高額なものでも、お金をコツコツと貯めていれば、いつか手に入れることができます。
また、貯めたお金そのものにも価値があるという考え方もできます。
「お金」を手元に貯めておくことで、私たちは目に見えない「安心」を得ることができます。
50万円を貯めていれば50万円分の安心しか得られませんが、3,000万円を貯めていれば3,000万円分の安心を得ることができます。
仕事に対する不安、怪我や病気に対する不安、老後の生活への不安など、多くの人は将来に対するいろいろな不安を抱えています。
こうした不安を和らげ、目の前の生活をもっと楽しむための安心料としても、お金は大きな機能を果たしているといえます。
今回は、お金が備える3つの機能に付いて解説しました。
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