5月4日に緊急事態宣言が約1ヶ月ほど延期されることが決まりました。完全に経済に大きなダメージを与えているわけですが、今回は、このコロナ禍の影響を大きく受けている業界と、その反対に伸びている業界について最近のニュースからまとめ解説していこうと思います。
現在、大きく影響を受けている8つの業界
2020年5月1日に民間の調査会社の調査から、新型コロナウイルスの影響によって倒産した企業は、全国で83社あることが分かりました。
国としては東日本大震災の時には11兆円の予算でしたが、今回は26兆円の予算を組むことが発表されています。それでも不足しているという声も出ていますが、この自粛期間はどこまで続くのか・・・その不安の中、日々、経営者の方は様々な局面の判断をしていることでしょう。
今回は、現在のコロナ禍の中、大きく影響を受けている業界と、反対に伸びている業界について、最近のニュースなどから考察していきたいと思います。
オリンピックの中止 | インバウンド消費の消滅 | 外出自粛 国内消費減退 |
供給連鎖の分断 | 中国消費の減退 | |
百貨店業界 | ● | ● | |||
航空業界 | ● | ● | ● | ||
宿泊観光業界 | ● | ● | ● | ||
飲食業界 | ● | ● | |||
建設業界 | ● | ● | |||
娯楽産業 | ● | ||||
自動車関連 | ● | ● | ● | ||
広告業界 | ● | ● |
過去最大の売り上げ減の百貨店業界
大手デパート 先月売り上げ 過去最大の減 新型コロナの休業で
2020年5月1日 NHK NewsWEBhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20200501/k10012414561000.html
コロナ禍の影響で、小売の代表格としての百貨店業界も大きな影響を受けています。
各、百貨店では軒並み売り上げが低迷していることが発表されています。
4月の百貨店売上がとんでもないことに。
【前年同月比】
大丸心斎橋 ▲92.8%
大丸東京 ▲93.2%
高島屋大阪 ▲84.8%
高島屋新宿 ▲82.2%
三越新宿 ▲90.2%
三越日本橋 ▲88.5%
阪急梅田本店▲85.9%百貨店というビジネスモデルはコロナ終息後も成立するのか?それほど壊滅的な数字に驚いた
— T・Yasui/税理士/㈱ZikuuCOO (@taxprofessiona) May 1, 2020
各社、新型コロナウイルスの影響から「緊急事態宣言」から休業要請を受け臨時休業をしたことによる影響が、過去最大の売り上げ減を叩き出しています。
どこの百貨店も、インバウンド消費の消滅と、外出自粛の影響による国内消費の減退が大きく影響しています。デパート業界は「これ以上、休業の期間が延長されていくと、従業員の雇用をどうやって守っていくのかを考える必要がある」と言われています。
一部、ネットでの販売なんかに力を入れているのでしょうけど、到底、従来の店舗消費による売り上げ低迷をカバーできるだけの補填は難しいのでしょう。
特に、コロナの問題が完全に解決しない限りは、もし営業を再開したとしても売場のあり方や、販売機能を大きく変えていかないといけないので時間が掛かりそうです。
金融機関に融資要請を出している航空業界
日航、1~3月期赤字229億円 コロナの打撃鮮明に
2020年4月30日 朝日新聞
4月22日に発表された各航空会社の4月29〜5月6日までの予約数の前年比です。昨年のGWは10連休ということもあって、旅行に行く人が多かったのもありますが、今年は、途轍もないくらいの減少になりました。
ANA | 国内線 | 約89%減 |
国際線 | 約96%減 | |
JAL | 国内線 | 約87%減 |
国際線 | 約98%減 |
日本航空(JAL)は、2020年3月期の連結決算で、20年1~3月期だけでみると連結最終損益が229億円の赤字になることを発表しました。
ほとんど運航しない現状でも、人件費や機材の整備費などで毎月500億~700億円の固定費だけは流出している状況で重くのしかかっている状況のようです。
日本航空は、金融機関に3000億円の融資を要請しており、借り入れることが出来れば、当面は資金繰りとして何とか運営していけそうだと資金調達のメドが付くとのこと。
一方、ANAでは、2020年3月期連結決算は、最終損益が前の期比で75%減の276億円だった。
コロナの影響で国内線、国際線ともに激減し、20年1~3月期で見たら587億円の最終赤字となりました。
資金繰りについては、金融機関の融資枠(コミットメントライン)を3500億円から5000億円に拡大し、政府系金融機関から危機対応融資で3500億円調達を要請しています。
日本旅行業界協会の発表では、旅行業界全体で3月だけで約3274億円の減、4月で見ると2971億円の減と発表されています。
既に倒産が起きている宿泊観光業界
1~3月 訪日消費42%減少 コロナで旅行者減
2020年5月1日 観光経済.com
宿泊観光業界も、インバウンド消費の消滅と外出自粛からの国内消費減退を受けて、これまでのインバウンドの流れとは全く違う様子です。
帝国データバンクが発表しているデータでは、4月6日までに16件の宿泊・観光事業者が倒産を報告しているようで、コロナ収束が見えない中だと、今後、件数はさらに増加すると考えられています。
特に、観光などの大手ホテルなんかは、東京オリンピック・パラリンピックを完全に当てにしていたので、一時の首都圏は、空前の新規ホテルの開業ラッシュになっていました。
旅行会社の中には、休業中の社員に副業を解禁するなどの動き示している企業もあります。しかし、東京オリンピックが延期になって、予約客のキャンセルが続いて大きくダメージを受けている状況は、即時、回復と言うわけにはいかなさそうです。
今のGWの期間中は、例年、観光客で賑わう神奈川県の箱根などでは、売り上げが9割減の宿泊施設なども出ているようです。箱根なんかは、去年の台風19号で甚大な被害を受けたり、火山噴火の問題でロープウェイが止まったりしていました。
特に、不運が重なった箱根なんかは、コロナ禍の後は、大きくテコ入れが必要かもしれません。
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