現在の日本経済の視点からの考察
そして、今は、手を出さないほうがいいと言う、もう一つの理由にファンダメンタル的な経済予測があります。
前回のリーマンショックでは「お金」の流れがストップして下落したわけですが、今回は「人」と「物流」が止まってしまった所に1つの要因があります。
そのうち第二波として「お金」の流れも止まるということで、人類史上最大級の大不況に突入してもおかしくないと考えておいても良い個人的には思います。
良くも悪くもアメリカの金融政策が、世界の経済に大きく影響をしています。
先日の緊急利下げで1.5%の利下げをして、各国もそれに合わせて金利を下げて来ており、世界中のマーケットがほぼゼロ金利の政策を打って来ています。
さらにアメリカは100兆円を超える経済対策を実行するということで、先ごろFRBが無制限の金融緩和を実行していくということを発表しています。
3月28日には、米国が過去最大の240兆円規模の経済対策法が成立したと発表しました。
米、経済対策法が成立…過去最大の240兆円規模
対応の早さと額の規模も大きいですね。こういう時は、やるなら中途半端なことじゃなくて一気に変えるくらいのことをしていかないと効果がないということなんでしょうね。
今後、日本が仕掛ける方針に期待したいですね。 https://t.co/Mc6BAhzKx2
— Koga Ken (@leaplab72) March 27, 2020
EUも90兆円の金融緩和を発表し、イギリスに至ってはベーシックインカムを真剣に検討する話まで出ております。
では、日本はどうかと言うと、金利はゼロ金利だから、これ以上下げることはできませんし、もうやれることがある程度、限られている状態とも言えます。
日銀のバランスシートも2011年以降、8年くらいをかけて4倍に膨れ上がっていて、これがさらに膨れ上がると本当に想像もつかないようなリスクを抱えることになってしまうと思います。
今やれることとしてETFを買ったりして、株価も反転していますが未だに2~3兆円の含み損が出ているような状況です。
日銀のETF保有残高と日経平均株価の推移
時事ドットコムニュース
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_market20200318j-06-w360
この記事を見ると日銀のETFの残高は30兆円あるのですが、このままETFを買い続けていくと、日銀が日本の株式会社の大株主になってしまいます。
今の割合で言うと、現在の日本企業の時価総額は600兆円程あるとされていて、今、ETFの残高が30兆円になっており5%のシェアを持っていることになります。
重要な点として、このETF買い入れの出口はあるのかというところなのでが、出口が見いだせていない状況です。
日銀が一旦、買い込んだら高値になった時とかに売った良いのですが、売ったら株価が下がるのでので、基本的に持ち続けるしかない状況です。
これも日銀のバランスシートを膨らましていく大きな要因になってくると思います。
個人的には、今後、日銀は ETFを買うくらいしか、もう手が残されていないのでは無いかと思っていたら、年6兆円を年12兆円にしていくということを発表していました。
日銀、金融緩和を強化へ ETF購入、年12兆円に拡大
そういう意味でも、アメリカとかEUと比較すると上辺だけの対策しか打てていない状況だと思います。
今年の概算要求で102兆円の予算要求をしていますが、予算の内、102兆円のうち国債を38兆円発行するわけなのですが、この中の23兆円が返済に充てる金額になります。
過去最大102兆6580億円 膨張続く社会保障費・来年度―令和初の予算案決定
2019年12月20日 時事ドットコムニュース
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019122000406&g=pol
かんたんに言えば、借金を借金で返すという状況になっているわけです。
これからの金融政策はとても重要
これらのことから、日本は打てる手が少ないわけで、今、国で議論されているのは消費税をゼロにしようとか、商品券配るとか言っていますよね。
消費税をもう本当に減税するぐらいしか手が残されていないのではないかとも考えています。
お金を配るとしても12000円では少ないとか、10万円配るとか議論が紆余曲折して中には、現金ではなくて商品券とか配るみたいな話も出て来ています。
今、コロナの自粛やらの影響で、企業へのお金回りが悪くなっているわけですが、企業にお金が流れないと意味がありません。
国民にお金や商品券なんかを配ったとしても、それをすぐ使ってもらわないといけないわけなんです。
そういう意味では、一番即効性があるのはやはり「現金」ですよね。
個人的には、今回のコロナショックを契機に、一時的な対処療法的な経済政策ではなく、イギリスがベーシックインカムを本当に検討していたりするのと同様に、抜本的な政策に打ち出し、未来への不安要素を無くす動きを取っても良いのではないかと思います。
商品券を配るとかしても、それを作るコストや管理するコストを考えると「現金」が良いに決まっています。
また、現金を配ると貯蓄に回るとかいう意見もありますが、それは、お金が回る仕掛けを作っていないからです。
なぜ、お金を貯蓄に回すのか・・・
それは、将来への不安があるからで、貯蓄は将来への不安を意味するものです。
この将来への不安を解消するのに、例えばベーシックインカムなどを施してお金を使っても安心だという仕掛けを作る必要性があると思います。
さらに個人的な懸念材料としては、長期金利が上昇している点があります。
日銀が国債を買っているわけですが、国債を買っているなら普通は、国債の価格が高くなって金利は下がるわけです。
ところが、逆に国債が売られている状況で、金利が上昇しています。
金利が上昇すると、国の返済金額が増えることになるので、この辺が、少し危機感を感じる要素なのかなと思います。
まとめ
初心者の方に言えることとして言えることと言うのは、安易にポジション取らないということですね。
売りも買いも取らないのは一番で、こういう不況に差し掛かる状況では、現金のポジションを取っておくことが一番です。
「有事の現金」「落ちるナイフは掴むな」「相場はスグに戻らない」など様々な格言があります。
今回、1ヵ月で30%も下がりましたが1ヵ月で30%が上がるということはないわけですから、リスクを背負って稼いでいけるデイトレーダーとして勝負を仕掛けるというのなら話は別ですが、ポジションを取らないのが良いのではないでしょうか。
今回は、新規口座の開設が急増しているというニュースから私見を述べてみました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメントを残す